37.獅子身中
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ったく………しかも『?』って何さ、『?』って。神聖文字を以てしても理解不能って事!?」
スキルとして現れている筈のものが解析不能など、ヘスティアは聞いたこともない。というか、この世界の理を知り尽くした神でさえ解析不能というのがあり得ない。クリスタルの理に生きるアニエスならともかく、ティズは特に説明がつかない。
おまけに、スキルの名前がどれもこれも意味深すぎて嫌な予感しかしないのだ。
ティズには『希望一途』と『敵者誘遠』を説明し、他二つは口をつぐんだ。
『敵者誘遠』に関しても使い方を間違えないように『敵を遠ざけるためのもの』と念押しした。
アニエスには『祝風巫女』と、『聖人祈願』の一部だけを説明しておいた。それでも『聖人祈願』に関しては余りにも突拍子がなさ過ぎるので、使い方が分かるまで使用しないようにと念押しした。
だが、ここまで来ると流石のヘスティアも覚悟を極めなければいけない。
これだけ特殊な人間が一堂にこのヘスティア・ファミリアに入ったのは、間違いなく何かしらの時代の流れや運命がここに集積しているという事を意味しているのだ。神としての直感が、そう告げている。運命の女神が手を触れることを止めた濁流のように激しいうねりが、ここに注ぎ込まれようとしている。
「まるで台風の目だね………できればみんな平穏な暮らしを送って欲しいんだけどなぁ。せめてその荒波が押し寄せてくるまでは、ボクがその平穏を守らないとね!」
今日もヘスティアはバイトでお金を稼ぎつつ、家族の帰りを待ちわびる。
せめて、この日常が一日でも長く続きますように……と、願いながら。
= =
いまだ見たことのないキミたち。
どこにいるかもわからないキミたち。
ボクの声が、届いているかな?
もしも届いているなら……これから言う事をよく聞いて欲しい。
このメッセージは、異世界にいるかもしれないキミたちへ向けて送っているものなんだ。
『聖人祈願』によって現れる助っ人は、『異世界の誰か』……この世界の存在ではない。
そしてきっと助っ人になってくれる人というのは、どこかで生まれ、何かの為に戦い、人を助けるだけの正義感がある人だと思う。まぁ、これはボクの希望的観測だけどね。
たとえばある世界では魔法で空を飛んでビームを撃つかもしれない。
ある世界では神の力を振るう人間がいるかもしれない。
見たこともない機械を使って戦うかもしれないし、超能力と呼べる力を振るうかもしれない。
あるいは、非力で戦う事は出来ないけど、想いだけは誰にも負けないかもしれないね。
そんな、本来この世界に存在しないような存在でも、アニエスちゃんのペンダントを通して一瞬だけこちらの世界に力
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