Fate/stay night
1101話
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あそこにいたんだけどな」
「見間違いとかじゃないわよね?」
「サーヴァントにそんなのがあると思うか?」
「……あんたの場合、色んな意味でイレギュラーなんだから、多少おかしくても特に不思議はないわよ」
「そう言われると、こっちとしても否定出来ないのが悲しいところだな」
記憶がない以上、俺が何を言っても殆ど無意味に近いだろうし。
「まぁ、いいわよ。それで、一応聞いておくけどこっちを見てたってのはどんな相手だったの?」
「見た感じだと普通の女子高生に見えたな。ただ、日本にいるにしては珍しいくらいに肌の色が黒かった。日焼けとかそんなのじゃなくて、元々の肌が浅黒いんだな」
そう告げた瞬間、凛は動きをピタリと止めた。
いや、この表現は正しくないか。どちらかと言えばピキリとでも表現すべき動きの止め具合。
そのままギギギといった感じでこっちを向くと、恐る恐るといった様子で口を開く。
「ね、ねぇ。一応……本当に一応、念の為、万が一の為に聞いておきたいんだけど、あんたが見た相手ってショートカットで、如何にも俊足そうな自称黒豹とか名乗りそうな人じゃないわよね?」
美人と表現してもいい凛の顔が、思い切り引き攣りながら聞いてくる。
その問い掛けに、先程見た女の顔を思い出し……
「黒豹云々は分からないが、見た感じ結構鍛えられているように見えたから、それなりに足は速いと思うぞ。それに、髪が短かったのも事実だ」
「……最悪……」
余程俺の言葉が衝撃的だったのか、悲壮感を漂わせながらそう呟く。
「何だ? 別に魔術師って訳じゃないんだろ」
「……いい? 私はこう見えても学校では優等生なの。それが学校のある日にそれをサボって、同い年くらいの男と一緒にいた。で、それを見たのは私の知り合い。……さて、ここから導き出される結論は?」
その言葉で、凛が何を心配しているのかを理解する。
凛の肩を軽く叩き……
「ま、なるようになるだろ」
「あんたが言うな、この女っ誑し! 私はそう簡単に堕とされたりなんかしないんだからね!」
そんな風に、意味不明な事を叫ぶのだった。
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