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転生とらぶる
Fate/stay night
1101話
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雅な凛とは思えない凛なら見たぞ」

 そう告げた瞬間、殆ど反射的に身を翻す。
 同時に、ヒュンッという音を立てて、何かが一瞬前まで俺のいた場所を通り過ぎていった。
 黒いその何かは、当たった壁を砕く。

「おい、一体何の真似だ?」
「あら、乙女の秘密を見たんだもの。このくらいは常識でしょう?」
「どんな常識だ、どんな。少なくても俺が聖杯から受け取った知識の中にはこんな常識はなかったぞ」
「聖杯も完全じゃないのね。……ま、いいわ。アークエネミー、あんたも受肉しているって事は、食事を食べたり出来るんでしょ?」

 唐突な話題の変化に首を傾げつつも、頷きを返す。

「勿論食おうと思えば普通に食える」
「そう。じゃあ、どうせだしアークエネミーの分も用意しておくわ。……一応聞くけど、あんたって料理出来る?」
「出来ない……と思う。多分。感覚的なものだけど」
「でしょうね。ちょっと気になっただけよ。じゃあ、ちょっと待ってて頂戴」

 そう言い、軽い身支度をしてから台所の方へと戻っていく凛。
 ……何というか、とてもサーヴァントとマスターの関係には見えないよな。どこか……そう、まるで同棲している恋人同士のような。
 微妙にそんな風に考えつつ、俺は凛が食事を作り終えるのを待つのだった。





「ふむ、なるほど」

 用意されたのは食パンやオムレツ、サラダ、スープといった典型的な洋風の朝食。
 それを口に運びながら、満足したように呟く。

「……」

 そんな俺を、何故か無言で見ている凛。
 ちょっと気になり、視線でどうかしたのかと尋ねるが、戻ってきたのは無言で視線を逸らすという行為。

「どうした?」
「……別に、ただちょっとあんたの過去が気になっただけよ。ねぇ、アークエネミー。あんた元々日本人だったりしない? ……いえ、ないわね」
「どうしたんだ、急に?」
「いえ、何でもないわ。それより、これからの事よ。本当なら今日はあんたを召喚した魔力を回復する為に使いたかったんだけど……」

 何故かやってられないとでも言いたげに溜息を吐く凛。

「あんたの魔力生成で生み出されたスキルがパスから直接送られてきているせいか、もう魔力は全開になっているのよ。いえ、それどころか昨日の夜には魔力が完全に回復して、宝石にかなり魔力を移す事に成功したわ。……正直、まさかここまでとは思わなかったわね。魔力生成って、物凄い便利なスキルよ。正直、聖杯戦争を抜きにしてもあんたを召喚出来たのは大きいかもね」
「それは何より」
「ま、それでも今日は学校を休むのは変わらないんだけどね。聖杯戦争の舞台になるこの冬木って土地をよく理解しておく必要があるでしょ? それに……」
「それに?」
「あんたが受肉してて霊体化出
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