Fate/stay night
番外編045話 凛の夢 1話
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ふと気が付いた時、凛は自分がどこいるのか全く分からなかった。
「ここは……私は確か家のベッドで寝た筈……」
そう。自分はベッドで眠っていた筈なのに、今自分がいるのはどこかの教室。
それも、冬木に住んでいる自分には全く見覚えのない学校の教室だ。
本来であれば、自分の知っている学校は穂群原学園のみ。
だが、今見ている光景は明らかに違っていた。
そもそも、穂群原学園は共学だ。
現在見ているような、女子生徒だけが通う女子校では絶対にない。
「これって、一体……どういう事?」
首を傾げつつも、誰も自分に視線を向けてこないのは、向こうは自分を意識していないということなのだろうと判断する。
「だとすると、これは幻? それとも……」
そこまで呟き、理解する。
そう。契約したサーヴァントとの相性や繋がりの深さによっては、相手の記憶を追体験出来るのだという事を思いだしたのだ。
「じゃあ、これがアークエネミーの……記憶?」
呟く。
そう、自分の記憶ではない以上、これは間違いなくアークエネミーの記憶で間違いない。
だが、そうなると……
「やっぱり、アークエネミーは私とそう変わらない年代の英雄? けど、そんな、私達の時代で英雄なんて……」
首を傾げる。
神代の時代であればまだしも、今の時代に英雄と呼ばれる程の者がいるかと聞かれれば、凛は否と答えるだろう。
「それにしても……何で女子校? アークエネミーは男なのに」
呟くも、周囲を見回しても女ばかりで男の姿は全くない。
「もしかして女子校の教師だった……とか? いや、教師で英雄になるのってどんなのよ」
結局それが分からず、改めて周囲を見回し……それに気が付く。
「でかい、わね」
授業が始まる前なのだろう。
教室の中にいる女子生徒達は、皆が楽しそうに話しているのが見えた。
その中で凛が見てでかいと表現したのは、優しげな表情を浮かべている人物、活発な表情を浮かべている人物、目を細めにしている、背も高い人物、浅黒い肌は知人と似ているが、とある一部分に関しては比べものにならない程の大きさを持つ人物。
「……他の人も随分と大きい人達ばかりね」
もしかしてアークエネミーは胸の大きい方が好きなのかしら? そんな風に考えていると、意識が再び消えていき……
「うーん……」
目が覚め、ベッドの上で周囲を見回す。
「やっぱりアークエネミーの記憶……よね」
そう呟くのだった。
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