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万華鏡の連鎖
宇宙戦艦ヤマト異伝
後方支援
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せん。
 取敢えず、2直交替制とする事を具申致します。
 我が軍は優勢であり、戦局急変の可能性は低いと判断されます。

 総統には是非、率先して御休息をお取り下さる様に御願い申し上げます。
 不肖ながら、私が代役を務めさせていただきます。
 先に総統閣下から休息して頂き、ドメル将軍に指揮を一任する形が得策かと愚考致します。
 冥王星前線基地司令官もシュルツ、ゲールを交代させては如何かと思われます。
 私ではなくドメルの戦況判断であれば、間違いはございますまい。
 非常事態が発生した場合には、直ちに起こさせていただきます。
 総統が率先して休息をお取りにならねば、勇戦を続ける将兵達も納得致しません。
 交代して休憩を取る事を肯んじますまい、御判断をお願い致します」

 無論、緊張した貌で一気に捲くし立てるヒスを撃つ銃は持たぬ。
 忌まわしい記憶を乗り越え諌言してくれた友へ、私は空の掌を差し出した。
「ヤマト参戦まで陣頭指揮を執る気でいたが若気の至り、盲点に足を掬われる所だったな。
 不眠不休で戦闘を継続しておれば、致命的な戦術的失敗を犯す事になっただろう。
 正論だよ、言い難い事を良く直言してくれた。
 持つべきは信頼できる友だな、御言葉に甘え先に休憩させて貰おうか。
 ドメルとシュルツにも連絡し、直ちに編制替えを行う。
 私も率先して充分な睡眠を取り休憩班に模範を示す事とする、ありがとう」
 栄光と無縁の裏方に徹する私の分身、舞台の影から私を支える誠実な支援者(サポーター)
 無比の忠義を捧げ補佐役を務める名脇役、副総統ヒスが顔を輝かせた。


 長期戦に備え交代制へ移行、複数の当直班を編成すべし。
 副総統ヒスの提案は、直ちに実施された。
 ドメル、シュルツ以下の将兵達も諸手を挙げて賛同。
 我がガミラス宇宙軍は長期戦に備え、2直体制に移行したが。
 数日に渡る防戦の末、冥王星前線基地は破壊された。
 戦闘開始後10数日を経て土星《クロノス》の衛星、タイタン基地を撤退。
 更に木星《ゼウス》表面、メタンの海に漂う浮遊大陸基地にも無限艦隊の攻勢が及んだ。
 旧第5惑星《氷王星》軌道の太陽系絶対防衛線へ向け、ガミラス宇宙軍は徐々に後退を強いられた。

 植物状タナトス生命体《エネミー》は各種機械に寄生、共生し驚異的な性能を発揮する。
 地球を放射能で汚染した遊星爆弾、超大型ミサイル等を再利用されては堪らぬ。
 汚名挽回の機会を与えてくれた女神は言うに及ばず、沖田や古代に会わせる顔が無い。
 ガミラス製の遊星爆弾が水星(テラ)を破壊、地球人類が絶滅する最悪の事態は回避。
 私は安堵に胸を撫で下ろし、末代までの恥辱を免れた事を感謝した。

 我が愛妻サイレン星人の女性メラ、愛娘ジェラ
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