010話
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ぉう!!?ふざけんじゃねっ!!!!???」
―――呼吸が止まる。肺が空気を取り込めない。何故。腹部に突き刺さったジークの拳による物だ、ぱくぱくと開閉する口。彼の肺は空気を求めているだろうが呼吸活動は少しの間正常に行う事は出来ない、それ程に重く鋭い一撃。地面に蹲り空気を求めて這い回るレノを持ち上げ競技台の上から放り投げるジーク。
「レ、レノ!?だ、大丈夫!!?お、落ち着いてゆっくり呼吸をして!!!」
「落ち着くんだレノ、しっかりしろっ……!」
仲間っというよりもファミリーと言われていた所を見ると本当の家族なのだろう。家族の見た事の無いような苦しみ方を見て心配する二人を放置して背を向けるジーク。
「コールを頼む、既に奴は戦えないだろう」
「………はっははい!!勝負あり!!メル、ジークの勝利!!!」
一瞬の静寂の後湧き上がる城、たったの一撃で勝利を収めたジークに観衆はどよめきながら歓喜の声を上げる。
「つ、強い………(攻撃の瞬間、魔力が凄まじく上昇していた……)」
「ほら見ろジークは強いんだぜ!!」
「そ、そうだな……」
「ほえええ……あいつあんなに強かったんだ…」
ジークの予想以上の強さにアルヴィスは自分と行動を共にしている妖精の少女と共に驚いていた。
「さっすがわしの第三家来じゃわい!!良くぞやったぞジーク!」
「有難うミスター、これでいいだろうギンタ?」
「ああ、でも信じてたから心配してなかったけどな!」
「私もだよ!」
共に修練の門で修行したギンタとスノウは勝利を疑ったおらず彼を信じていた、彼の実力そして魔剣の力を身を持って知っているからだ。二人に礼を言おうとしたその時
「ジィィイイイくぅぅうううん!!!」
「どわぁあああ!!!??」
横からドロシーのタックルのような抱きつきを食らって吹き飛ぶジーク。
「とってもカッコ良かったよ〜♪チュッチュ〜♪」
「だあああああ気持ちは嬉しいけど止めろってドロシー!!」
「やぁあだもぉおおん♪」
「如何してこうなったぁあああああああ!!!!??勝ったのに嬉しくねぇえええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!」
「もう照れないでよぉ〜〜!!!」
「―――へぇ、あの彼やるじゃないか。フフフ、彼の成長も楽しみだね。ギンタと同じ位に」
暗闇に包まれた中、一人の男がジークの戦いぶりを見ながら期待に笑みを浮かべながら今後の彼の成長を楽しみにする中一つの視線がジークを凝視していた。
―――ジーク、竜殺しの英雄………ジーク、フリード………欲しい……。
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