キャリバー編
伝説の聖剣
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「どうだ?進捗状況は?」
「見ての通り、てんやわんやよ。まったく、いつもながらすごい数ね・・・」
リズベットは隣の台に陳列されているシオンの武器の数を見てゲンナリとした口調で言った。それに対してシオンは少し申し訳なさそうに頬を掻きながら答える。
「悪いとは思ってるが、仕方ないだろ?」
「そうだとしても、少しは遠慮ってもんをねぇ・・・」
「今回はガチで挑みに行くんだ。それくらいお前も分かるだろ?それに、最大戦力で行くのが流儀ってもんだろ?」
シオンはそう言うとリズベットはまぁ良いけどと吐き捨てて再び研磨機に向かい合った。
砥石と剣が擦れる独特の音を背に再び皆の所に戻った。戻る最中に、やれ年末年始は荷が入ってこないだの、ウチは超ホワイトだの、霊刀カグツチだのと盛り上がっていた。
「何の話だ?」
「今日うまいことエクスキャリバーをゲットできたら霊刀カグツチを取りに行くのを手伝って欲しいって、クラインさんが」
「カグツチって言ったらあそこか?あのあっついダンジョン。まぁ、今回行くヨツンヘイムはその真逆だが・・・」
「で、シノンは光弓シェキナーが欲しいって・・・」
『うわぁ・・・』
アバターを作って2週間経つシノンの発言にシオンは久しぶりに彼女の貪欲さを痛感した。
「リズが造ってくれた弓も素敵だけど、できればもう少し射程が・・・」
「と、申していますが?リズ殿?」
「あのねぇ、この世界の弓っていうのはせいぜい槍以上、魔法以下の距離で使う武器なの!百メートル離れたとこから狙おうなんて普通しないの!」
工房奥からリズベットの職人としての意見が聞こえるが、シノンはそれに対し澄ました顔で答えた。
「欲を言えばその倍の射程は欲しいとこね」
その言葉にGGOのプレイヤーの姿を知っている男二人は口角が引き攣った。200メートル先からの攻撃が可能となる弓が存在するならば、相手をしたくないのが本音である。
シュタイナーは話を戻すために買い物の間に仕入れた情報を話し始めた。どうやら、リーファが助けた邪神系モンスターのクエストとは別種のクエストが見つかったらしく、その報酬がエクスキャリバーなのだとか。
「でも、そのクエストがどうも虐殺系みたいでね。おかげでヨツンヘイムはPOPの争いで戦場と化しているらしい・・・」
「まさに、人ならざる者がはびこる人外魔境ってか?」
「それがあながち間違いじゃないのが怖いな・・・」
シオンの冗談の様な口振りにキリト苦笑いを浮かべて言った直後、工房の奥からリズベットが叫んだ。
「よーっし!全武器フル回復ぅ!」
「お疲れ様!!」
各自それぞれ自分の武器を装備し、アスナによって整理されたアイテムを
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