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Absolute Survival!! あぶさばっ!!
第三話 覚悟と決別
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なれば生存本能の警告だ。
「あアァあ」
男―――いや、もはや『奴ら』か。『奴ら』はようやく琉から顔を背け、真正面に顔を戻した。
―――今が、好機だ!
琉は息を殺してゆっくりと前進を開始する。
足元には血の水たまりがあるので、音をたてないように摺り足で一歩一歩進む必要がある。
ガチガチと鳴りそうになる歯をどうにか食い縛り、真上の『奴ら』に注意しながら、どうにか真下を通りぬけることができた。
安堵の息を吐き、チラリと背後を振り返る。
座りこんでいる『奴ら』は琉に気が付いた気配は無く、ゆらゆらと身体を前後に動かしていた。
――――なんとか、一応の危機は脱した。
琉がホッと息をつき、歩き出そうとしたその瞬間。
「あァ」
頭上で、声がした。
恐る恐る顔を上げてみると、そこにはコンクリート製の溝蓋がしてある。そしてその隙間から、黒い瞳がこちらを一心に見つめていた。
「――ッ!」
呼吸が止まり、全身を悪寒が駆け巡る。
そして次の瞬間、琉は考えるよりも先に、身体が勝手に動いていた。
琉は目の前に続く通路へ、スライディングをするみたいに身を投げ出す。
一拍遅れて、背後で「バガァンッ」というコンクリートの割れる音が鼓膜を叩いた。
チラリと音のした方、つまり背後に視線を送る。そこには、案の定とでもいうべきか、コンクリート製の溝蓋は瓦礫と化し、その空いた穴から『奴ら』が顔を覗かせていた。
「あぁアあああァぁアぁぁああアぁァァあアッ!」
先程の座り込んでいた『奴ら』とは違う、また別の『奴ら』。
その『奴ら』は完全に琉を視認したようで、ドサリと街渠の中に落ちてきたかと思うと、奇声にも似た金切り声をあげながら這うようにしてこちらへ近づいてきた。
―――殺される。
一瞬逃げようかと思ったが、『奴ら』の這う速度は予想以上に速く、このままでは追いつかれてしまうのが明白だった。
ならば、どうするか。
背後から『奴ら』が迫っており、逃げてもいつかは追いつかれる状況。
こんな狭い空間で木刀は扱えない。包丁を使うにしても、リーチが短すぎて危険だ。
もし本当に『奴ら』が、ゲームや映画みたいな『ゾンビ』であるならば、少しでも噛みつかれたら即アウト。奴らの仲間入り一直線だ。
ここは一か八か。
琉は腰に差していた刃渡り八十ミリのペティナイフを抜いて口に咥え、今もなお這ってくる『奴ら』へと向き直る。
『奴ら』との距離は五メートルほど。
琉はさっと頭上を見回し、すぐ後ろに格子状の溝蓋を見つけ、その格子状の溝蓋をしっかりと掴む。
「あぁァあアッ」
そして
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