その9
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けられた。
「……そいつが木の葉の、この里の人柱力だって事なら知ってる」
里の中でも限られた者しか知らないその事は、少年に教える者はナルト本人しかこの里にはいない。
少なくとも、この年の少年には知らせる人間は居ないだろう。
火影の名の下、きつい箝口令が敷かれているのだから。
「それは、この子から直接聞いたのかのォ?」
「それがどうした!」
自来也の確かめる問い掛けに挑むような眼差しを向けてきた少年に、自来也は安堵した。
何よりも、ナルト自身が自分から九尾の器であることを開陳した同年代の少年だ。
ならば、何も遠慮する必要はあるまい。
「そうか。ならばこれも聞いているだろうのォ。ナルトは女じゃ。にも関わらず、この里にはこの子が頼りにできる相手は少なすぎる。ワシはそれが不憫でのォ……」
「……はぁ!?」
自来也の発言に驚愕を露わにする少年に、思わず自来也は驚いた。
「坊主、聞いとらんかったのか!?人柱力である事はナルトから聞いとったんじゃろう」
「そんなの、ついさっき聞かされたばかりだ!なんだそれ!!こいつは男だろ!?」
酷く動揺してナルトを指差す少年に、自来也は少し申し訳なく思った。
こんな風に不意打ち気味に知らせるつもりはなかったのだが、こうなってしまっては仕方がない。
「いや、ナルトは女じゃ。女の人柱力は出産時に、尾獣の封印が弱まる事が分かっておる。それを未然に防ぐ為じゃろうのォ。ナルトが女じゃと言う事は伏せられとる。その上、人柱力は何かと狙われる立場でもあるしの。成長した時の危険をそらす意味もあるのじゃろう」
知らなかった事実を知らされている少年は、可哀相なくらい動揺していた。
悲劇に行きあったばかりの少年に突きつけるべき物ではない。
だが、自来也は敢えてこのまま突きつける事を選んだ。
上手くすれば、ナルトも、この少年も、有望な木の葉の忍びとして並び立つ事になるだろう。
何せ、うちはの血を引く少年と四代目火影の血を引く人柱力なのだから。
「しかし、だからこそワシにはナルトが不憫で仕方なくてのォ。この子が男として暮らしているのは間違いなくワシのせいでもあるからのォ。この子の両親に子が出来たと聞かされて、名付け親を頼まれて、ワシは男の名しか用意せんかった。まさか、生まれてきた子が女で、そしてこの子の両親がこの子に九尾を封印して、二人とも命を落とすなんぞ、欠片も思いもせんかった。そしてそのままワシが用意した名前を使われて、この子が男として育てられるとも思ってもみんかったしのォ」
「ま、待て!それじゃこいつ、本当に女なのか!?男じゃないのか!?」
酷く動揺して顔を赤らめている少年は年相応の少年だった。
先程までの、触れれば切れてしまいそうな鋭い殺気を放っていた姿
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