その9
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まずまず心配はいらないようだ。
とは言え、気の強そうな少年の瞳は誤魔化しを許さない光を宿している。
そして、出会ったばかりの頃のナルトと同じ色もだ。
二人とも、どうやら目を離していて良い相手では無いらしい。
溜め息を吐いて自来也は誤魔化しのない正直な言葉を告げた。
「ワシにはどうしても止めなければならん相手がおる。奴とはガキの頃からの長い付き合いでのォ。ワシ自身の手でけりをつけねばならんのだ。それに他にもしなくてはならないことを幾つか抱えておる。正直、サルトビのじいさんを信用して、あの人に全てを任せておった。あの人程信用できるをわしは知らんからのォ……」
そう言った途端、少年の表情はこちらを探るような物へ変わった。
「あんたも、木の葉の忍なのか?」
色濃い疑いの眼差しに、自来也は太い笑みを浮かべた。
三忍とまで呼ばれるまで鍛え上げてきた自来也の自負が、少年に自分を侮らせる事を許さなかった。
「木の葉の忍以外の物になった覚えは無いのォ。里を離れていたとしても、ワシは木の葉隠れに生まれ、木の葉で育ち、木の葉の火の意志を受け継いだ木の葉隠れの忍の端くれじゃ。坊主。うちはの血を引くならば、お前も木の葉隠れの忍の一人だろう。違うか?」
「俺は…」
自来也の問いかけに、今まで考えた事もなかったと言わんばかりに動揺する少年に、自来也は微笑ましくなった。
ナルトを抱きかかえて立ち上がり、少年の隣にナルトを寝かせる。
「少し借りるぞ」
一声かけて、少年が使っていた掛布をナルトにかけた。
そして自来也は少年の頭に手を載せた。
「のう、坊主。お主これからどうする」
問いかけられ、自分が何をされているのか気付いた少年が自来也に噛みつきだした。
「俺に触るな!何するんだ!!」
自来也の手を振り払い、赤い顔で睨みつけてくる少年に自来也は笑った。
不意に、このうちはの血を引く少年とナルトの間にあるものに懸念が沸く。
悲劇に行き当たった者が選ぶ道は限られてくる。
この少年が選ぶ物に、生まれて初めて得ただろう友が選ぶ物に、恐らくナルトは否応なく影響されるだろう。
里に恨みを持つ九尾の器を、負の方向に刺激する材料になってもらっては困る。
「のう、坊主。これをした者を殺したいか」
問いかけた瞬間、ギラギラとした殺気と憎悪を露わにした少年に自来也は嘆息した。
「そうか……。止められはしないのかのォ?」
「当たり前だ!アイツはオレにしか殺せない!!」
怒りを露わにする少年を丸め込む材料を自来也は幾つも持っている。
だが、その中でもっとも卑怯で、もっとも確実性にかける手段を選ぼうと心に決めた。
幼い子供達を、お互いを拠り所として里に縛り付けて起きたかった。
そうすれば恐ら
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