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戦え!!正義の兄弟戦士ジャスティスカイザー
第三十一話 菊池中尉!金魚すくいはスポーツだ!!その十二
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「紙を破らないこと」
「このことが絶対ですね」
「そうです、また金魚の心を知ることです」
 すくわれる相手のそれもというのだ。
「慈しみ、労りを」
「金魚達に対してもですね」
「持たねばなりません」
「金魚も生きているのですから」
「その命を大事にせねばなりません」
「では」
「まず紙はです」 
 それはというと。
 菊池は気を発した、その気で紙が水を弾く様にした。それは瞬も同じだった。これが菊池に教えてもらった技の一つだ。
 そしてだ、そのうえで。
 金魚達を見てだ、二人は言った。
「では今より」
「すくせてもらう」
「そうさせてもらいます」
「決して痛めはしない」
 すくおうとも、というのだ。
「碗に入れて勝負が終われば」
「返させてもらう」
「だからです」
「安心してくれ」
 二人がこう言うとだ、金魚達は。
 二人に自分達から身体を差し出してすくわれていった、碗はジャスティスカイザーの金魚屋泣かせよりも速く金魚で占められていく。
 二人のその金魚すくいを見てだ、全世界は唸った。
「紙を濡らさない」
「その極意を気でするなんて」
「流石日帝衆」
「見事な気の使い方だ」
「それにだ」
 それに加えてだった、
「金魚の心を知り」
「自らの思いを伝えてか」
「共に金魚すくいをする」
「金魚達と共に」
「そうした金魚すくいがあるとは」
「見事!」 
 全世界が思い浮かべた言葉だ。
「金魚が人だけがするものに非ず!」
「すくわれる立場の金魚達とも共にするもの!」
「金魚すくいは金魚の心を知ること!」
「そのことをわかっているとは!」
「菊池中尉、まさに金魚すくいを極めた者!」
「天下一の金魚すくいの達人ぞ!」
 こう言ってだ、菊池を褒め称えるのだった。
「その菊池中尉と共にすくう悠木大将も然り!」
「まさに金魚すくいを極めし者ぞ!」
「見事!」
「素晴らしき哉日帝衆!」
 こう言って二人を褒め称えるのだった、だが。
 その二人を見てだ、主役達は悪態をつくのだった。悪態をつくその間も手は光速で動いている。光速は誤字ではない。
「けっ、金魚の心なんか知るか」
「すくえればいいんだよ、すくえればな」
「所詮すくわれるだけだろ」
「それで何で心まで知る必要があるんだよ」
「そんなことよりもな」
「どんどんすくってやるぜ」
 こう言いつつすくい続ける、だが。
 金魚すくい用の水槽の中でだ、金魚達は。
 集まって魚文字を描いて二人にその文字を見せた、それは二文字でこう書かれていた。
『死ね』
「うっせえ、この色付きの鮒共!」
「手前等所詮赤い鮒だろ!」
 二人は金魚達にも中指を突き立て額に青筋を立てる。
「何だ、死ねってのは!」
「わざわざ魚文
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