13部分:第十三章
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」
間はその不気味な、影を思わせる姿を見て言うのだった。
「画伯と筆の邪悪な心がそのまま実体になったのか」
「実体にですか」
「そうだ。画伯と筆は完全に一つになっていたな」
「はい」
相模もそのことはわかっていた。
「そうですね。完全に」
「それだ。彼は今完全に魔物になった」
「魔物、ですか」
「手強いぞ」
鋭い声で相模に告げる。
「これはな」
「みたいですね」
答える相模の声も鋭いものになっていた。
「それもかなり」
「炎は刀に宿らせたままにしておく」
間は言った。
「それで切りつけていくぞ」
「はい。それじゃあ」
ここでその影の腕が襲い掛かった。しかし二人は左右に動きそれをかわした。
「グウ・・・・・・」
「危ないところだったな」
「ええ。絵の化け物共とは全然違いますね」
最早相模の言葉には余裕はなかった。
「これはまた」
「いいか、相模君」
「何かお考えがあるんですか?」
「跳ぶぞ」
こう言うのだった。
「跳んでだ。そして」
「ええ。そして」
「刀を投げる」
これが彼の作戦だった。
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