11部分:第十一章
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相模は画伯のその狂気に満ちた言葉を聞いて述べた。
「じゃあどうするかはわかるよな」
「話し合いは決裂した」
二人は画伯を見据えて正面を向けてきた。
「覚悟はいいな」
「こうなれば強制的に解放させてもらう」
「できるのか?」
画伯もまた二人に対して正面を向けた状態になってその凄惨な笑みを見せてきた。
「このわしから」
「自信があるってことは切り札があるってことか」
「如何にも」
見れば右手に絵筆を、左手にパレットを持っている。木製のそのパレットには様々な絵の具が置かれている。一見して闘う姿ではない。
「相模君」
「ええ」
相模は間の言葉に対して頷いた。視線は画伯を見据えたままだ。
「ただの絵ではないな」
「そうですね、明らかに」
「ほう、それはわかるみたいじゃな」
画伯も二人の言葉を受けてその不気味な笑みをさらに怪しいものにさせるのだった。
「如何にもじゃ。わしが描けるのはパレットだけではない」
「というと」
「こういうこともできるのじゃよ」
こう述べると目の前の空間に絵を描きだした。するとそこから一体の鬼が姿を現わしてきたのであった。
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