ターン34 光の結社とアカデミアー3F−
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にこの2人が……いや、この2人だけじゃない。万丈目も夢想も、僕を斎王のところに送るために足止めを引き受けてくれたことになる。僕なんかがそんな役で、本当にいいんだろうか。あまりにも僕では力不足ではないだろうか。今更といえば、あまりにも今更な話だろう。自覚はある。だけど、本当にこれまではがむしゃらに走ってきただけで何も考えていなかったのだ。せかす剣山と翔を見ながらそれでもまだ迷っていた僕の肩が、ポンと優しくたたかれる。見ると、その相手は十代だった。
「ほら、ここはあの2人に任せようぜ。俺とお前、どっちが先に斎王のところにつけるか競争だぜ?」
どうやら、どんどん考えが暗い方に向かっていったのが顔に出ていたらしく、そんな十代なりの精いっぱいの励ましを聞いた。わざわざ気を遣わせて申し訳ないし、それに剣山の言う通り確かに僕には、ここまでみんなを引っ張ってきた責任がある。今日突入するなんて僕のわがままに付き合ってもらった以上、せめて最後まで僕が決めるしかないだろう。
今はとにかく前に進むことが先決だと、ようやく覚悟を決め直した。
「う、うん……もし、もし負けたら、絶対承知しないからね!」
「なんだなんだ、俺の相手は雑魚2人か?考えようによっては、一石二鳥ともいえるのか」
「鳥がどうしたドン、恐竜さんの力を見せつけてやるザウルス!」
「けっ、鳥は恐竜が進化したんだぜ?時代遅れの化石は化石らしく、大人しく博物館にでも飾られときな!」
「なんだと!恐竜さんをバカにする奴は、このティラノ剣山が容赦しないドン!丸藤先輩も、早くデュエルの用意をするザウルス!……と、その前にこのカードをデッキに入れておくドン」
「わ、わかってるよ!」
年の功の違いか、あっさりとやりこめられた剣山が怒りに身を震わせつつもデッキに1枚のカードを紛れ込ませてデュエルディスクを構える。次いで鎧田、最後に翔がデュエルの用意を済ます。
今回適用されるルールは変則デュエル……3人対戦のバトルロイヤルルールではあるが、翔と剣山が戦いあう理由がない以上実質1対2のデュエルとなる。ドローできないのは最初の1人のみだが、ターンプレイヤーは3人目からしか攻撃宣言ができない。今回は翔、剣山、そして鎧田の順にターンが回ってくるようだ。そして自分のターン以降は2人がかりの連続攻撃に耐えなければいけないという圧倒的に不利な状況にありながら、鎧田の表情に不安の色はない。それほどまでに彼にはノース校トップとしての、そして光の結社幹部としての自信と誇りがあるのだ。
「「「デュエル!」」」
「僕のターン!スチームロイドを守備表示で召喚、カードを1枚伏せてターンエンド」
スチームロイド 守1800 攻1800
下級ロイド随一の守備力を持つ機関車型ロイ
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