ターン34 光の結社とアカデミアー3F−
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1階で万丈目、2階で夢想と別れ、ついに僕らは3階に突入した。いまだ下にいる2人とは連絡が取れないけど、ここでいちいち戻って確認してたら何のためにあの場を任せてきたのかわけがわからない。それに、これまでのパターンから考えるとこの階もそろそろのはずだ。同じことを考えているらしく、隣を走る3人の表情も硬い。
「よう。久しぶりだな」
「……うわっ、お前かあ」
「ずいぶんひどい言いようじゃないの、オイ。なんならもっかいぶっとばしてやろうか?」
ひょっこりと顔を見せたのは、やはりこの男、というべきか。実力的には確かにどこかで出番が来るだろうとは思っていたから、あまり驚きはない。ノース校四天王最強の男、鎧田……ノース校が対抗試合前からすでに堕ちていたことを考えると、光の結社のなかでもかなり古株の幹部だ。
「さあ、早く構えろよ遊野清明。俺とお前の戦績はこれまでで1勝1敗、もう結果の見えた勝負には違いないが、このデュエルできっちり決着つけようぜ?」
「ああ、僕がお望みなわけね……」
だからこの男には会いたくなかったのだ。葵ちゃんの時も正直危なかったけど、今のメンバーの中では僕としか接点のないこの男が出てくるとしたら、その狙いは僕以外にありえない。
「十代、翔、剣山!ここは僕が相手するから、3人とも早く先に!」
少しは悩むだろうと踏んでいたのか、すぐに決断した僕を何か珍しい物でも見るような顔で覗き込む鎧田。確かに僕だってどうせなら斎王を相手にしたかったけど、ここに突入した時点で誰が相手だろうと覚悟はできている。誰からの挑戦も正面から受け止め、斎王に当たるまで片っ端から叩き潰していくまでだ。
だけど、そこからの僕の友人たちの反応は予想と違った。
「いや、ここは俺に任せて先輩は先に行くドン」
「剣山君1人じゃ無理でしょ?僕だって、ここで戦う!」
「剣山、翔……なんで」
ずい、と前に出た剣山と翔が、ほぼ同時にデュエルディスクを構える。だけど、それはおかしい。ここで戦うのは僕の役目だから、2人は十代と一緒に斎王のとこに行くのが筋というものだろうに。その思いを言葉にしようとした矢先、先手を打つようにして2人がそれぞれ親指を立てて笑いかけてきた。
「なーに言ってるドン、もともと俺たちを焚きつけてここまで来させたのは清明先輩ザウルス。その先輩がここで勝手に離脱されたら、それこそおかしな話だドン」
「悔しいけど、それに関してはその通りだからね。さあ、早く!」
鎧田はとても強い。正直なところ、僕が1人で戦っても勝てるかどうかはわからない。確かにそんな僕がタイマン張るよりも、この2人で変則デュエルに持ち込む方が勝つ可能性は高いだろう。
だけど、それはつまり僕を斎王のところまでたどり着かせるため
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