第3章 リーザス陥落
第52話 鍵はチューリップ3号?
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〜ラジールの町・酒場〜
その場所でローラを見つけたのはランス達だった。灯台下暗しとはこの事であり、シィルは喜んだのだが……。結果は言わずとも知れた状態だ。ローラは、不貞腐れた様にまだふんぞり返りつつミルクセーキを飲んでいる。一体何杯目なのだろうか? そして、目の前には、パフェであろう グラスが何本もテーブルに広がっている。
あれだけ、食べたのなら……、明らかにあの少女の胃袋の体積よりも 多い筈だが、とツッコムのは止めておこう。
「お、お願いします。あれはリーザスにとって大切な宝物なんです。あれが無いとリーザスは……」
「何度も言ってるでしょうっ! 私のウー君を返してくれたら考えてもいいわっ! そうじゃないと嫌だ、って言ってるのっ!」
「っ……!」
温厚に済ませたかったかなみだが……、流石に怒りの表情が見え出してきた。それをユーリが抑える。
「そのウーって リスが死んだと言うのは誤解だ。彼はまだ生きている筈。人間になって戻ってくると言ってな」
「そんなの嘘よっ! それに、本当なら早く連れてきてよっ! じゃないとぜぇぇったい 信じないわっ!」
ユーリがそう言っても信じない。でまかせを言っているとしか思っていない様だ。
「ふん! お前は自分の立場がわかっているのか? オレ様は、お願いしているのじゃない。命令しているのだ。さっさと渡せ、じゃないと100回は犯すぞ!」
「ふんっ! 犯したければどうぞ! なんなら、殺してくれても良いわ! ウー君のいない世界で生きていてもしかたないもん! ……それに、私を殺したら探し物の場所がわからないわよ!」
「くっ……、開き直ったヤツは扱いにくい。オレ様が女としての歓びを教えてやったと言うのに、恩を仇で返すとはこの事だ」
「も、お前は黙ってろって……、余計話をこじらせるし、逆なでするだけだ」
「なにおー!」
ランス達と合流したまでは良かったが……、現状はよくない。彼女の目は本気だ。……目を見たらよく判る。真剣なのか虚勢なのかは。
「自分を産んでくれた親の事も考えろ。簡単に死んでもいいなんて思うんじゃない」
「何よっ! 私に説教をするつもり?? 簡単にウー君を殺したアンタ達にそんな事、言われたくないわっ!! 本当に生きているって言うなら、ウー君を出してって言ってるの! じゃないと、私はテコでも動かないわ!」
ローラは、そういうと視線をユーリ達から反らせた。
そして、窓から空を見る。恐らくは、自身が愛した彼との日々を思い出しているのだろう。相手が何なのかなど関係ない。互いを思いやる心があれば……。確かに素晴らしい事だと思えるが、現状は決して好ましくない。
「オレ様は、君とのあの愛の瞬間を忘れられないぞ? べちょんと濡らして求めて
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