第3章 リーザス陥落
第52話 鍵はチューリップ3号?
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か、以前のリーザス・コロシアムでリック将軍は実況を依頼された。それ以外では、まだ無かった筈だ。そして、ユーリの実力もうろ覚えだが、この場の人間は皆覚えていた。
「ユーリ殿」
「ん? なんだ? バレス将軍」
「もしや、と思いますが……あのコロシアムの優勝者と言うのは……」
「あーー……。まぁ な。どっかの馬鹿は棄権したからオレが不戦勝で優勝の形に収まったんだ。……ひょんな事からオレも参加する事になったんだ。あまり、広めないでくれよ」
「(あの時のユーリさん……格好良かったなぁ……///)」
かなみは、当時の事を鮮明に覚えている。
名目は、リアに近づく危険性がある者の監視。だけど、その強さに目を奪われてしまったのも事実だった。
そして、今は憧れていて……、初めて好きになった男性になっていた。それを思い返すとどうしても顔が赤面するのが止められない様子だった。
かなみとは正反対。バレスは驚愕していた。
あの大会が終わった後のリックの意気込みをずっと間近で見ている。彼をあそこまで駆り立てた男が今ここにいるのだから。だが、納得出来る所ももちろんあった。先の戦いにおいて、洗脳されていたのだが、朧げに覚えている所もあるのだ。その圧倒的な戦闘力を目の当たりにした事を……。
「………」
「バレス将軍? どうかしたのか?」
「っと……、申し訳ない。少々考え事をしておりました」
「いや、別に問題はないが……、オレに敬語はしなくていい。オレ自身もする事は苦手だし、されるのも苦手なんだ」
「いや、すまぬ。儂はこう言う性分なので」
「なら、無理にとは言わないが……」
ユーリはそう言って頭を掻いた。
バレスは、尊敬出来る者は敬う性分であり、それが自国の者でなければ尚更なのだ。それも時と場合によるだろう。
「……それで、今後の作戦についてを説明します。まずはレッドの町を解放しようとしていますが、レッドの町への道中にも大量の魔物軍とヘルマン軍、そして洗脳のリーザス軍が配備されている為、正直 正面突破は得策ではありません」
「それはそうだな。人数の差を無くす為には洗脳軍をこちら側へと入れるのが前提なんだ。それに、連日の連戦ともなると解放軍の士気にも関わってくる」
「ええ、ですが そこで頼りにしているのが、マリア殿の兵器の事です」
エクスは、黒板にチューリップ3号の設計図と完成図を貼り付け、そう言った。どうやら、あの兵器についてはある程度マリアから色々聞いている様だ。そこから、作戦の条件にまで組み込んでも構わないと言うくらいのモノだと判断したのだろう。
「それ程までなのか……」
「ええ、一通り確認をさせて貰いましたが、彼女の才覚は素晴らしいものがあります。戦争の歴史が変わると豪語しておりまし
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