第3章 リーザス陥落
第52話 鍵はチューリップ3号?
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その言葉に深く頷いた。
「主と儂の2人がかりでもやられてしまったから……な。儂もエクスの言っている事がよく判る。それに、朧げにだが、よく判った。……あの戦いででも、ユーリ殿の底はまだまだ見せてはおらんと言う事をな。……これは黒の軍も定期的な勧誘をかけておかなければなるまい。……一冒険者じゃ惜しすぎる」
「おっと、そう言う事であれば、白の軍も負けませんよ? 頭一つ抜けた……飛び抜けた軍人は魅力的ですからね」
「私も手合わせさせて貰いたいですね……」
この中では唯一ユーリと手を合わせていないハウレーンだったが……、国の将軍の2人を圧倒したユーリの話を聞いて、感服をしたようだ。エクスも父であるバレスも、虚偽を言うような人格ではないのは一番判っているから。
「さて、しなければならない事は多いぞ」
「はいっ!」
「僕もリスについては情報を集めておきます。人里に下りたとすれば、情報も集まりやすいでしょう」
そして、3人とも行動を開始していった。
それにしても、3人の話はユーリ一色となっていたようだ。
……同じく冒険者であり、女王がゾッコンであると言う稀有な存在であるランスの事は語られる事が無かったのはまた別の話。一国の王女がそこまで執着するランスの事も、ユーリとは負けずと劣らない程の話題になってもおかしくはないのである。
〜ラジールの町・工場〜
相変わらず、工場に近づいていると言う事がよく判る状態。近づけば近づく程、騒音……ランス曰く『ゴールデンハニーがタップダンスを踊る』様な音が聴こえてくるのだ。
「ふむ。完成にはまだ掛かりそうだな。燃料は置いといて」
「そうですね……、ああ、しかし頭が痛いです」
かなみも耳が難聴になりそうで、表情を歪ませていた。ユーリも苦笑いをしつつ、工場内へと入っていく。外でも騒音が酷かったが、中は一段と響く。随分と作業環境の劣悪な場所だと熟思うユーリだ。
「あ、ユーリさん。どうしました? 会議は終わったんですか?」
入口付近にユーリの姿を見たマリアは、そう聞いていた。近くに行かなければ声も届かないから、傍にへと向かってきて。
「ああ、まあな。それでマリア。ヒララ合金の件、オレが何とかする様になったんだが」
「……あっ! そうだった、それ、ユーリさんやランスに頼むんだったわ! 忘れてた!!」
マリアはヒララ合金の事……今回は素で忘れていた様だ。
「やれやれ……、チューリップの事の紹介に熱を入れる前に動かせる様にする事の方に力を入れろよ」
「う゛……」
ぐぅの音も出ないとはこの事である。
志津香達とユーリの〜第一回〜に関してはよく覚えてる癖に……と思ってしまうのも無理は無いだろう
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