第十三話 安心してください、下は履いてますよ
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って、むくりと起き上がる。設定されたアラームの時間は朝の七時だ。
あまり朝に強いわけではないシリカだが、今日はすっきりと目覚められた。
ずいぶんと質のいい睡眠を得られたらしい。疲れていたからか、それとも不安の一切を取り払う暖かさに触れたからか。
どちらにしても、シリカにとっては好都合だ。今日は大事な日なのだから。
ぐぐっと大きくひと伸びして、ベッドから足を下ろし目線を変える。そこでシリカはようやく気づいた。
自分の部屋と配置が左右対称になっている。つまりーーー
(……あたし、リュウヤさんの部屋で寝ちゃった!?)
徐々に覚醒していく脳が一気にギアを上げ、昨日の最後の記憶へたどり着く。
メッセージを打っていたリュウヤの背中と、ベッドに横になって目を閉じた自分。
どう記憶を掘り返したって、部屋に戻らずリュウヤの部屋のベッドで寝ていた自分しか思い浮かばない。
ボンっ、と効果音が出そうなほどに急激に顔を赤くしていくシリカ。紅潮した表情は、まるで火竜のブレスを浴びたように暑い。
なんとか落ち着こうと、火照った顔をシーツで覆い、声にならない声を上げてなんとか気を紛らわせる。
そうすること数分、だいぶ落ち着いてきたところでノック音が部屋に響いた。
「は、はいっ!?」
「起きたか〜?起きたなら着替えなりなんなり済ませて、終わったら声かけてくれ」
「あ、はいっ。分かりました」
ドア越しに聞こえてきたリュウヤの声に慌てて飛び上がる。
ウインドウを開いてささっと着替えを済まし、部屋のドアを開けると、向かいの壁に腕を組んでたたずむリュウヤの姿を見つけた。
「ん、終わった?」
「はい、大丈夫です」
「ほんじゃあ入らせてもらいますか」
言いながらシリカの隣を通って部屋に入るリュウヤ。その格好は、昨日見た圏内に入ったときの服装だった。
もしかして、どこかへ行っていたのだろうか。そんな考えが頭をよぎると同時、
「シリカ、嫌なら後ろ向いてろ」
「へ?」
「や、着替えるから。見たいなら別にいいけど」
シュン、とリュウヤはウインドウを操作してシャツを脱いだ。
「ーーーひ、ひゃぁ!?!?」
一瞬遅れてシリカの悲鳴が響く。ギュンと音が出そうなほど高速で後ろを向いて顔を覆った。
「な、な、な、何してるんですか!?」
ほんの数瞬だけだったが、初めて見た男の人の裸体(上半身のみ)。それが脳内で鮮明に映し出され、シリカの動揺が収まらない。
それに追い打ちをかけるかのように、リュウヤはシリカを自分の方へ向き直らせ、両肩を掴んだ。
そして意味不明なことを言い始めた。
「そうだよな、これが正常の反応だよな……」
うんうんとうなずくとシ
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