番外 Vivid編
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さかったあたしは、過去は現在へと一本でつながっていると思っていた。
その時はよく分からなかったけど、いっぱい本を読んで勉強した今なら理解できる。
時間はひとつの紐のようなものじゃなくて、いくつも枝分かれした樹木の様だって。
平行世界。
これは次元世界の定義としての平行世界ではなくて、選択によって発生するいくつもの異なった世界の事。
つまりこの世界はアオさんとソラさんが生まれなかった世界。
だから会うことは出来ない。
河原から持ってきた七色に光る石を持ち上げて覗き込む。
月明かりを反射して七色に光っていた。
「会いたいよ、アオさん」
沈んだ気持ちを忘れるように眠りについた。
さて、次の日はお待ちかねのあたし達幼少組みも加わった6対6の陸戦試合。
チーム分けは、あたし、ヴィヴィオ、ルールー、エリオさん、なのはさん、スバルさんの6人。
相手チームは、コロナ、アインハルトさん、キャロさん、フェイトさん、ティアナさん、ノーヴェさんの6人だ。
あたしは自分の相棒であるソルフェージュを取り出す。
愛称はソル。
あたしを助けてくれたあの人のデバイスにあやかりたくて、いつの間にか定着したニックネームだ。
「行くよ!ソル」
『スタンバイレディ・セットアップ』
ヴィヴィオやアインハルトさんはどうやら大人モードで参戦するようだけど、あたしはこの今の体で修行を積んでいる。
リーチや目線が変わるとやりにくそうだから、変身魔法は使えるけれど使う事はないかな。
そして試合が始まる。
どうやらまずは1対1で索敵してのぶつかり合いから始めるようだ。
あたしの相手はどうやらコロナのようだった。
「ゴライアスっ!」
コロナが創り出したゴーレムの巨大なコブシがあたし迫る。
「うわぁ…ライフシミュレーションのみだから直撃してもバリアジャケットを抜かれる事が無ければ怪我はしないんだけど…痛そうだし、くらいたくないなぁ」
かわそうとしたあたしに、その巨体からは想像できないような速度で追随するコブシ。
「ちょ!?」
速いっ!
間一髪の所で大きく距離を取ってその攻撃をかわした。
「すごいねっ!コロナ。まさかそんな速さでゴーレムを操れるなんて!」
「ううっ…避けておいてそんな事言う?今のは絶対捉えたと思ったのに」
本当に今のは危なかった。
コロナのゴーレム操作技術はその年齢では類稀なものだろう。
あたしは嬉しくなった。
「ふふっ、いいねっ!それじゃああたしも少しは本気出さないと!」
「え?」
ゴライアスを正面に捉える。
「行くよ!コロナ!」
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