5部分:第五章
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別なものですか」
「生ある者と死せる者とでは住む世界が違う」
あまりにも厳しい言葉であったがそれは紛れもない現実であった。現実であるがそれでも藤次郎にとって受け入れられるものかどうかは別である。しかし社長はそれには気付かずに話をしているのであった。それがどうなるかは彼は知らなかった。
「だからだ。わかるな」
「別れろ、ですか」
「このままだと死ぬぞ」
社長は彼に言った。
「いや、連れて行かれる」
「あちらの世界にですか」
「そうだ。それでもいいのか」
あらためて彼に問うた。
「それでも。いいのか?」
「それは」
藤次郎は言葉を詰まらせ俯いてしまった。そう問われれば言うしかない言葉だけがあるのだった。
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