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暴れん坊な姫様と傭兵(肉盾)
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下。
 流石に極端(きょくたん)に緊張はせずに、普通に受け答えする事は出来た。

 ただこれも不敬(ふけい)に相当するものだと思う……今からでも頭を下げておくべきだろうか?
 いや、そもそも傭兵が王族と関わるなんて事はまず無い。
 (うやま)ったり萎縮(いしゅく)する以前に、年下で自分よりも小柄で…可愛らしい女の子なのだから、見た目通り(せっ)する以外にない。

 ドキドキしながらもどう反応するか戦々恐々(せんせんきょうきょう)

 幸いな事に、姫様は自分の態度に不敬(ふけい)にとは取らなかったのか、表情を変える様子はなかった。


「そうかそうか、傭兵で間違いないんだな。 間違えでもしたら、小言もらう所だったんだよ」

 姫様はまるで育ちざかりの子供のように、裏表のない気安さで話しかけてくる。
 その気安さに自分も緊張(きんちょう)がほんの少し(やわ)らいで、こちらも少しは話を(はず)ませようかな〜、とか何とか考えた。


 そんな矢先だ―――。

「んじゃ、一瞬で終わらせるからな」

 姫様は右手で拳を(にぎ)った。

 指を折って(たた)むような可愛らしい握り方ではなく、綺麗に指を折り固めて出来た小さな肉の塊のような握り方だ。
 ギリィッ!とかメキィッ!とか、そんな音が聞こえてきそうなほどに(すさ)まじい迫力で込められている。
 拳を握ると流れるような動きで床を蹴りつけて踏み込み、僕に肉薄(にくはく)し、血に飢えたような好戦的な笑みを浮かべた顔が(せま)った。

「へ……?」

 姫様の宣言通り、まさに一瞬。
 その動作を前に自分は反応出来ず、間抜けな声が漏れる。


 ―――そしてわかる。



 この後に訪れるとてつもない衝撃(インパクト)が、僕を貫いた。



「おっらぁあーーーーーー!!」


 姫の雄々(おお)しい雄叫(おたけ)びと共に、(すさ)まじい衝撃が“炸裂”…いや、“爆裂”した!


 上段から振りかぶって、僕の胸板に姫の拳が突き刺さるのだけはかろうじて見えた。
 だがそこから先に見えたのは…景色が(ひるがえ)って、美しいほどの天井だった。

 視界が白くなって歪む……!

 強烈…だけでは表現しきれないほどの衝撃(インパクト)は、刹那(せつな)の内に僕の体を床にめり込んだ。
 仰向(あおむ)けになって倒れる自分に振りかかるのは、一身に注がれる逃げ場のない破壊力だ。
 最低限の防具として着けていた胸当てが砕け散って、拳が胸板に沈んだ。
 背中に感じる床が一拍(いっぱく)遅れて自分を中心に深く(くぼ)んで、体が沈んだのを感じる。

 そして破壊力の余
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