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幼気さが残りながらもハッキリとした意思を宿した宝石のような瞳。
気高さを兼ね揃え、好戦的な笑みに相応しいほどに麗しい容姿。 人生でこれほど整った顔をさせた人は見た事がない。
軽くまとめて残りをナチュラルに流している金色の髪は、艷やかな絹糸みたいで黄金のように映る。
ふくらはぎが見えるほどに丈がやや短めで、階級の差がわかるほどに上質なドレスからは、華奢なおみ足が組んでいるのが見えた。
この人…いや、この子が姫様…。
確か……エルザ・ミヒャエラ・フォン・デトワーズ姫陛下。
若いとは思っていたけど、本当に若い。
容姿はとても整っているけど、年頃は二十代に達しておらず明らかに十代の、それも中盤のソレだった。
…あれ? なぜか姫様は訝しげに視線を向けてきていた。 もしかして…足を見ていたのバレた……?
「ん〜……で、そいつが今回申請来た奴?」
童女と聞き違えるような可愛らしい声でぶっきらぼうな事を言ってきた。
頬杖を突きながら居丈高に言ってくる態度は不遜そのもの。
しかしあの容姿と年頃で考えれば、小生意気程度に可愛らしく映る。
姫様に問いかけられたので、メイドさんがそれに答えた。
「はい、臨時兵士として雇用申請して、本日に面談の予定があった人物である事は役所に問い合わせて確認済みです」
「仕事が早いなミーア姉ちゃんは」
「エルザ姫様。 人が見ている前です」
「気にするなよ」
このメイドさんと姫様、何らかの仲なのかどこか気安い雰囲気を感じていた。
ミーアと呼ばれたメイドさんは諌めるような事を言いながらも決して強く出ておらず柔らかい口調、それに対して姫様は公私の使い分けなど知らないと言った風である。
姫様は組んでいたおみ足を解いて玉座から降り、スタスタとせり上がった床を下って、自分達に近づいてきた。
メイドさんは体が横に向いて、姫様の進行の妨げにならないように半歩後ろへと下がる。
悠然と、そして当たり前のように小市民に過ぎない自分と、姫様の距離が手が届くほどに近くなった。
そして近くで見ると、その生まれの違いがわかるほどに気品や高貴さといったものが感じられた。
「よう、お前傭兵か?」
あ、でも口の方は…とても雄々しいようだ。
「あ、はい。 傭兵のレヴァンテン・マーチンであります、です」
見てハッキリわかるほど高貴さを感じられるが、相手は年
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