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会うと思っていたのに、どうしてこうなった…。
ついでに言うと……護衛の人に囲まれてる状況も、結構怖い。
「君は相変わらず……いや、むしろこの前より酷くなってないか?」
そんな自分の不審な様子を見かねて、ファーン伯爵は訪ねてきた。
初めて面会した時は、ジャンピング土下座からの平謝りの醜態を晒した自分だ。
勘違いからの謝罪する事しか頭になかったけど、あれは相当恥ずかしいものだったと自分でも思う。
「……こ、心の底から…面目ありません」
なんかこのセリフ、心の中でも言った気がする。
「やれやれ…色々アレな気はしたが、大丈夫かね? 君、挙動不審が過ぎて、傭兵になる前に潰れてしまいそうで心配になってくるぞ」
重ね重ね申し訳ございません。
あの時は一応喋れはしたが…今はそれすら出来ず、表情は顔面蒼白で、冷や汗ダラダラで、見てわかるほどに全身がガチガチに緊張している。
一見しなくても不審者と思えるほどに動揺しまくっているため、心配になるほど怪しく見えても仕方ない。
何より、ファーン伯爵の後ろの護衛らしき人達も「抜くか?」「抜こうか?」と小声で穏便じゃない相談をしている。
やめてください。 僕の姿を見てください。 ほらっ、剣一つ持ってない無害な傭兵(予定)ですよ。
「だ、大丈夫です。 何とか、雇ってもりょえま…ごふっ…」
緊張のあまり噛んでしまった。
いや、もう色々限界だった。 小市民的なハートが軋みそうになっている。
「……邪魔するつもりはなかったのだが、一応助言した手前様子だけは見ておこうと思ったのだよ」
「は、はひっ……」
うん、縁ってものがありますよね。
あんな出会いだったけど、一応この国に関わる事になるから気まぐれに顔を見せてくれたのだろう。
ファーン伯爵は多分イイ人なのだろう、道を教えてくれただけでなく、気になって顔を見に来てくれたのだから人格のある人だと思っていい。
ただ……こんな不意打ちで顔を見せられても、緊張でどうにかなりそうで逆に邪魔になる………だなんて、思ってもいません!
ちょこっとでも、そんな不敬な事を考えていた…なんて事がバレたら怖いし。
「あ、あの…あの……そ、そろそろ僕は……」
「おぉ、そうだった。 面談に来たんだったな、今度はちゃんと道は―――」
早々に切り上げてこの場を立ち去りたいのに、ファーン伯爵は柔和に話を続けて気にかけてくる。
お願いです! とてもとても優しい事なのはわかってますが……緊張で脂汗と心臓がぁ
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