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いたのかも知れない。
うん、自分ならそれもありえる。 この間だって食糧を買い込んだ時に、これもおまけしとくよ、とか言って勧められていつの間にか色々買わされた事もあるし。
お得にしてもらえるのならそれに越した事はないのだから、深く考える必要もないよね。
「それもそうですね〜。 あ、じゃあとりあえず一泊しますけど、これもお得にしてもらえるんですか?」
「ああ、それも含めての口利きだからね。 ゆっくり休んでいくいい」
「やったー!」
自分はこれに舞い上がった。
懐が暖かいとは言えない不定期収入の身の上で、宿泊代が軽くなったのは重畳である。
自分がいつファーン領領主の名前を言ったのか、そんな事は些細な事であり、ご飯も食べさせてもらった上に安く泊めてもらえるのならイイ事尽くめだ。
「じゃ、お泊まりさんお一人ご案内ね。 今度はちゃんとした部屋を案内しながらこの宿の事説明するね」
「は〜い」
得して泊れるとわかれば、久しぶりにまともにベッドで寝られる期待を胸に膨らませる。
まだ余裕のある財布を握り締めながら、僕はエマに案内されて行った。
「―――…引っ掛けのつもりだったが、とんだオトボケだったな…」
その時、エメリッヒ店長が呟いたセリフは喧騒に紛れてしまい、自分は気に留める事もなかった。
―――。
翌々日。
自分は今、城の前にいます。
時間が飛んだけど、軽くまとめて説明するとしよう。
宿に泊まった翌日、自分はダンディな店主に……と、いい加減の呼び方はよそう。
自分の泊った宿のダンディさを漂わせる店主の名はエメリッヒ。
イイ人である。
国境方面に近い所に多く並ぶ宿と違い、デトワーズ領方面に唯一建つ宿として、酒場を兼任で経営している。
看板娘のエマ目当ての酔っ払いが多いけど、一応デトワーズ王都と領地を行き来する者向けの宿らしい。
そういう場所が場所であるがため、エメリッヒ店主はちょっとした情報通らしい。
ありがたい事に、このデトワーズ皇国で傭兵志願の手順をも知っていたのだ。
手順その1.デトワーズ城近くの役場で傭兵としての雇用を申請する。
手順その2.次の日にデトワーズ城にて面談と交渉を行って契約する。
簡単に言えばこんな所である。
実にシンプルで、そう難しい事ではない。
現に先日は申請はちゃんと出来たのだから。
しかし、これを知らなかったらどうなっていたかわから
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