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腹一杯食べよう! 傭兵などの事はあとで考えよう!
嬉しいがあまりもう一度叫ぶ。
―――うっ…ひょおおおぉぉぉぉ!!
王都を囲む外壁にファーン領に劣らぬ大門が見えたので、脇目も振らず一直線。
開かれている大門のその向こうには、宿屋である事を表す真鍮の看板が覗かせていた。
―――。
「ご飯ください!」
開口一番、力いっぱいにそう叫んだ。
チラホラといる客から注目を集めるが、それに構わず中のカウンターにいる人に懇願するように注文した。
門番に拝み倒して手続きは簡単にして王都に入れてもらい、すぐに宿屋へ駆けこんだらその中は食事の場であった。
宿屋と言うのは寝食が伴った施設である。
一階部は受付を兼ねて食堂としても機能していて、二階部が宿部屋となっている所がある。
ここはどうやらその類のようだ。
宿として雨風を凌いで寝る所の提供は当然として、食事を兼ねる所があったり無かったりする。
場所によってはそこは飯屋だったり酒場だったり、宿屋によっては様々だ。
どうやらこの宿は酒場も兼ねている方のようだ。
「おやおや、元気なお客さんだ」
カウンターにいる人、店主らしき男は物怖じせず物静かにそう言った。
全体的にこざっぱりとした、執事か家督でもしてそうな型にはまった整った服装をしている。
宿屋としては儲かっているのだろうか、それとも酒場として儲かっているのか…落ち着いたその雰囲気からして、意識が高い感じだ。
髪はオールバックにしていて、鼻の下には丁寧に生え揃っているヒゲがちょっと印象的である。
彼がどんな人なのか、一言で言うとだ……。
―――なんだか渋そうなダンディーっぽい店主である。
あれ? この人の顔…見た事があるような…無いような……。
つい最近どこかですれ違った気が…。
ぐ〜〜〜…。
「な…何でもいいから、何かご飯下さいっ!」
もうそんな事はどうでもよかった。
もう限界までひもじくて、空腹が辛いのだ。
このダンディーな人がどこかで見た事があるかなんて思考は空腹の波でどっかに去ってしまった。
「ふむ…」
ダンディーな人は顎に手を添えて、考え事でもするかのように仕草を見せた。
その仕草すら渋くて様になってるとは思うけど…お腹が空いてる自分からすれば焦れったかった。
カウンターを叩いてでも主張しようと、訴えかけるように怒鳴りかけたが、その前にカウンターに湯気の立った器が置かれた。
「まずはこれ
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