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暴れん坊な姫様と傭兵(肉盾)
04
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、森の中で彷徨(さまよ)っている時とあまり変わらないのでは……?


 もしこのまま誰も通らず、力尽きてしまったら…野垂れ死にするかも知れない。
 しかもだ、森の中でひっそりと誰にも知られずに命を落とす(それも嫌だけど!)よりも、街道(かいどう)野垂(のた)れ死にすれば誰かに見られる事は避けられない。

 もしこんな所で空腹で力尽きたりなんてしたら……あ、あまりにも情けなさすぎる…。

「進むしか…無いのかなぁ……」

 当たり前だけど、幸いな事に前に進めば少しは王都に近づくという事。
 願わくば、そこの丘を超えれば何かがありますように……空腹で力が抜けてしまいそうな体に鞭打(むちう)って足を進ませた。

 (ゆる)やかでありながらも人の丈を超える丘が続く。
 (ゆる)やかだからこそ、その丘を越えるにはまだまだ足を進ませる必要があって、次第に視線の角度が落ちていた。


「はひぃ……はひぃ〜……」

 情けない声で息を絶え絶えとさせながらひたすら進む。
 気力の方が先に尽きてしまうんじゃないかと思う。

 死にたくないな、出来ればこんな所で倒れたくないな、あと今度こそご飯を沢山食べたいな。
 切羽詰(せっぱづ)まってると思いながらも、底力は残っているのか割と余裕がありそうな思考である。


 その時だ、フッ…と足の負担が軽くなったような気がした。


 斜めにかけられていた重力の負担がフラットになったかのような感覚。
 昇りつめていた角度が頂点に達した水平の角度。

 額まで垂れ下がった顔を持ちあげた―――そこには丘を抜けた景色があった。


「あ…―――」


 そこには立派な王都があった。


 ファーン領から丘を挟んで向こう側にあったのは、より洗練された大都市。
 ただ広いだけではなく、都市としても要塞(ようさい)としても機能する堅牢(けんろう)な集まり。
 見ただけで物凄い、攻め辛い、内からも外からも(いか)めしい、だけど活気のある光がある。
 これが王都だ、デトワーズ皇国の膝元(ひざもと)なのだと理解した。

 なるほど、この壮大(そうだい)な丘に隠れて意外と近い事がわからなかった。
 この丘の存在がなかったとしたら森を出た時点でどちらに足が向くかとしたら、きっとこっちを選んでただろう。

 この丘さえなければ…そんな後悔はあったかも知れない、しかし今はそんな事はどうでもいい。


「うっ…ひょおおおおぉぉぉぉ!!」

 矢も盾もたまらず丘を下り()けた。
 やっぱり底力は残っていたのか、歓喜に奇声をあげて王都へと走っていく。

 ご飯!ご飯!ご飯!何よりもまずこの空腹を満たしたい!
 今度こそは
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