A.G.E(アンジェ)
第七話:混沌の訪れ
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られていると、そう誤解されるようになったのだ。
お陰で長期休暇のある月は客足が途絶えないが、それは逆に家庭の懐が潤うと言う事でもある。故に、我慢せねばならないのだ。
寝室でやって欲しい、そんなウザッたいやり取りを視界から必死に外し、唇近くまで持ってきた瞬間、行き成り生臭く変わる、不思議な鮭の切り身を口へ運ぶ。
……吐かないのが不思議なぐらい、臭くてマズい。
あと少しで漸く食べ終えられる朝食を見ながら、朝の涼しい内にある程度宿題をやっておくべきかと、頭の中で今日の予定をくみ上げて行く。
―――突然だった。
「ブラザァーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!」
「……!」
ドアが猛烈な音を立てて開き、馬鹿みたいに叫びながら、楓子が入ってきたのは。
朝っぱらだと言うのに、初っ端からウザいぐらいに明るい。
中二となった彼女ではあるが、頭の中身は全く変わらず寧ろ悪化している。態々首ごと向ける対象でも無かろうと、俺は横眼だけ向けた。
何やら分厚いノートを持っている時点で、嫌な予感をヒシヒシと感じる。
「ねぇねぇちょっと―――」
「断る」
「見てよ聞いてよって早っ!? まだ何も言ってないのに!」
聞くまでも無く、くだらない事に決まっているからだ。
所でノートを必死に後ろへ隠している様だが、既にバレバレなのに気付いているのだろうか。
「あらあら、今日はちゃんと起きられたのね楓子」
「……朝の挨拶は如何した?」
お袋は彼女の分のご飯をよそいだし、また睨みとドスを聞かせる親父。咎めているのか射殺したいのか分からない。
「ごーめんごめん。パパママブラザーお早う!」
そんな視線も応えず、楓子は頭を自分で小突いて舌を出す。……傍から見てても腹が立つ。
お陰で元からなかった食欲が更に失せた。どうしてくれる。
「そだそだブラザー、コレ見てよ!」
俺の周りをウロウロとしつこく動き回り、先程見えた聖書もかくやの分厚い大学ノートを突きつけてきた。
言うまでも無く、“読め” と言う事なのだろう。
だが俺の両手は塞がっているし、この厚さと幅だと片手で読むのはキツすぎる。と言うか俺の今の状態なんざ見れば一発で分かる筈なのに、何故しつこく突きつけて来る。
コイツの目は節穴なのか。
「後にしろ」
「ダメダメダメーーッ!今呼んでくれなきゃダメなのおっ!」
こいつは我儘を言いだせば絶対に引っ込めない。なのでシカトし続けようとも、その間だけ延々喚かれる事となるので、煩わしい事この上ない。
なので俺は一端食器を置
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