1 3人だけの戦い
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思っている。
そして、盛り上がりの原因はその音ではなかった。破裂した後に姿を現したものこそが、その場の盛り上がりを加速させたのだ。特に男性の。
破裂したのは胸ではなかった。
破裂音と共に粉みじんになって跡形もなくなくなったのは美紅の上半身のコスチュームだった。
当然、美紅の上半身は素っ裸、街中のデパートの屋上でトップレス状態だ。
本来の、形はよいがまだ未成熟の胸。それが青小春日和の青空の下に晒されてしまった。
しかし、自分のコスチュームが消滅してしまうなんて想像もしていなかった美紅は、すぐには今の状況に気づくことはできなかった。
破裂音とギャラリーの歓声がさらに多くのギャラリーを生み、さっきまで閑散としていたはずのこのデパートの屋上は、かなりの人で埋まってきていた。
そんなたくさんの人の前に、美紅の胸は晒されてしまったのだった。
ただ、美紅は完全に気づいていなかった。
アオイも桃子も美紅に前を出て、バルーンプラスの攻撃を警戒していた。
当然、美紅の方には目がいっていない。
この程度のダメージで戦線離脱というわけにはいかないと、美紅も一緒に戦うつもりで前に出てきた。
そこで、アオイも桃子も驚いた。
美紅が隣に並んだ瞬間に2人は、思わず2度見してしまった。
まさか、美紅の上半身が裸になっているとは思ってもみなかった。
それでギャラリーがあれだけ盛り上がっていたのかと思ったのと一瞬納得したが、そんな場合じゃなかった。
ただ、美紅をこのままにしてはおけない。
慌てて桃子が声をかけた。
「美紅ちゃん、胸、胸!」
その言葉の意味が美紅には分からなかった。
しかし、言われるがままに自分の胸を確認しみると……
「いや〜ん」
まさかコスチュームが消えてなくなっているなんて思ってもみなかった。
青天の霹靂。見事に何も隠されていない。
自分の発展途上の胸が、多くの見知らぬ人たちの前に晒されていた。
美紅は慌てて両手で胸を隠して後ろに下がった。
時間にすれば30秒も経っていなかったかもしれないが、美紅の胸を人が確認するには十分な時間だった。
その様子を見たヴィムはひとつアイデアを閃いた。
「なるほど! つながった!」
そう言うと、ヴィムはバルーンプラスを戦わせたまま姿を消した。
「早く開発しないと!」
バルーンプラスは、美紅を指差して高笑いだ。
「はははは。その格好ではもう戦えまい!」
美紅はステージの隅でしゃがみ込んで、両手で胸をギュっと押さえた。そして、恥ずかしさのあまり顔を伏せた。
「いいぞぉ〜! もっとやれ〜!」
ギャラリーはまさかのセクシー展開に好反応だ。
アオイは慌てて、両手を広げ美紅の前に立ちはだかった。
バルーンプラスからもギャラリーの目からも同時に守ろうとするポ
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