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ウイングマン バルーンプラス編
1 3人だけの戦い
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いそうになってしまう。
美紅も頷いて、今の平和を噛みしめていた。
「でも、リーダーは嫌なんじゃないかな、勉強漬けだからね」
桃子の言葉に3人は笑った。



しかし、和んでいられた時間もそれほど長くはなかった。

ドーン!
ステージの方から大きな音がした。
「何っ!?」
完全に気を抜いていた瞬間の出来事だった。
3人の視線がステージに集中した。
ステージには噴煙が立ち込め、何があったのかわからない。
ただ、何かが飛来してきたことは3人にもわかった。
噴煙がまっていくと、だんだんと状況がわかってきた。
コンクリートでできたステージにはひびが入っただけで、音ほどの衝撃はなかったようだ。
そのかわり見たこともない人型の物体が立っていた。
「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃ〜ん!」
黄色と青に配色されたポップな色彩のプラス怪人だった。
「ハハハハ。お前らがウイングマンの仲間か! これからショータイムの始まりだぜ!」
3人はすぐさまその言葉に反応した。
「何がショータイムよ!」
アオイは変身した。
「健坊がいないからって甘く見ないことね!」
桃子もバッジを取り出し胸に付けた。
「誰も呼んでないんだけど……」
ブツブツ言う桃子に美紅も苦笑いをしながらバッジを胸に付けた。
2人は戦闘モードに姿を変えた。
「私たちはウイングガールズ!」
アオイはバルーンプラスを指差した。
「覚悟なさい!」


そう言うが早いか、3人は目の前の怪人に向けて連続攻撃を仕掛けた。
「ハハハ、小娘ごときにやられる私ではないわ」
バルーンプラスはするすると攻撃を避けてみせた。
「ハハハハハ」
大声で笑った。その笑い声は大きく、不自然に演劇がかっていた。
その声に釣られたのか、このタイミングで屋上に何人か入ってきた。
今まで、閑散としていたことを考えるとこの増え方は異常だった。
「なんで、このタイミングでこんなに人がやってくるの?」
屋上に来たのはバルーンプラスの着地の爆音に驚いた野次馬だった。
「何だ、さっきの音は!?」
「何が起きたんだ!?」
屋上に来た彼らが見たのは、ステージの上の怪人とコスチュームを着たかわいい女の子3人が格闘している姿だった。
野次馬は完全にアクションショーにしか思えなかった。
アオイたちは少し動揺し周りに目をやった。しかし、プラス怪人を目の前にそんなことを気にしている場合ではなかった。

「そんな攻撃にやられる私ではな〜いっ!」
人の入りを確認すると、バルーンプラスは大見得を切った。
その大げさな態度と言い回しが、この戦いをよけいにアクションショー然としていて、来た人に誤認させていた。
「ハハハハハ。ウイングマンがいなければ大したことはないなぁああ」
野次馬たちはこの
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