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ウイングマン バルーンプラス編
1 3人だけの戦い
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ただけだったのだ。
完全に肩透かしだった。
体中に走っていたあの電流は完全に見かけ倒しで、何の役にも立ってはいなかった。
ただ、確かに今までよりもさらに速くなったので、狙われる桃子からすればたまらない。
倍速の攻撃が容赦なく桃子を襲ってくるのだ。
連続で放たれるパンチを桃子は必死に避けたが、避けるのも限界があった。
攻撃の一発が、スカートに命中したのだ。
「きゃああああっ!?」
桃子は吹っ飛ばされ尻餅をついた。
ギャラリーの視線が一気に桃子に集まった。
大方の予想通り、桃子のスカートは爆発して木端微塵になっていた。
「おおおっ!」
ギャラリーの声に、思わず自分の下半身に目をやった。
スカートが消滅し、パンツが丸出しになってしまった。
当然、パンツは自前だ。こんな状況になることは想像していなかったので、桃子が履いていたのはアンダースコートのような見られてもいいパンツではなかった。
趣味全開の、熊のキャラクターのプリントされたパンツだった。
あと少しで高校生にでもなろうかというのに、こんな子供っぽいパンツをはいていることがたくさんの人に知られてしまって、パンツを見られたこと以上にとてつもなく恥ずかしかった。
もちろん、パンツを見られたことも恥ずかしい。しかしまだ、肌を晒したわけではない。
桃子には最後の砦が残っていた。
現状だけを考えれば、美紅とアオイの2人より布1枚分マシなのだ。
「もう、みんなエッチなんだからっ!」
そう言うと立ち上がって、バルーンプラスにディメンションビームを放った。
「お前は恥ずかしくないのか?」
バルーンプラスは桃子の攻撃に驚いた。反撃があるとは思っていなかったのだ。
「恥ずかしくないわけないでしょ!」
桃子は反論すると同時に、すぐさま反撃を開始した。
怪人も当然、対抗する。しかもその攻撃速度は最大出力のままだ。
アオイも援護をしたが、やはり桃子は避けるのだけでいっぱいいっぱいだった。
「あ〜ん、もうなんとかしてぇ〜っ!」
桃子の悲痛な叫びが屋上に響き渡った。
最終防衛ラインしか残されていないのだから、桃子が嘆くのも当然だ。
ここを突破されるわけにはいかない。

必死の攻防だったが、桃子が押されていることは明らかだった。
「お、おおおっ!」
攻めるバルーンプラス、必死で避ける桃子。
手に汗握る展開だ。2人の攻防に多くのギャラリーが一喜一憂していた。
そして、だんだんとギャラリーの視線が動きのない美紅やアオイから桃子に集まってきていた。
美紅に注目していた人もほとんどが桃子のことが気になり、美紅のまわりにいた人の数も減ってきていた。
美紅としてもこのまま恥ずかしがっているだけ、というわけにもいかないことは自覚していた。
このまま戦いの行方を桃子にだけに押し付け
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