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ウイングマン バルーンプラス編
1 3人だけの戦い
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が一緒に帰るようになってからは初めてのことだった。

「これから桃子ちゃんとお茶しに行くんですけど、アオイさんもどうですか?」
そう言われたアオイは一瞬、考えた。
別にすぐに返事を返してもよかったが、それではすごく暇しているように思われるかもしれないと思って、すぐに返事をしなかった。
年上としては威厳が必要だ、それなりに忙しい振りをしないとカッコ悪いような……。
「そうね。今日はこの後、予定もないし。それに、この3人にケン坊がいないっていうのが新しいわね」
美紅と桃子は顔を見合わせた。
そう言われるとそうだった。
昔、修学旅行のときに健太と別行動をとったことがあったが、その時には久美子がいた。
合宿の時には桃子とアオイが一緒の時だったが、新体操部の美紅は完全に別行動だった。
正月に3人で集まったときは3人だったが、その後に健太と行動することが決まっていた。
しかし、今日は健太と会う予定はない。完全に3人だけなのだ。
「うん! じゃあ、今日はリーダー抜きで!」
そう言うと桃子も笑った。


3人はデパートの屋上に上った。
最初は喫茶店かファミリーレストランにでも行くつもりだったのだが、晴れていて、この季節にしては暖かく気持ちのいい日だったので、急遽、この場所に変更したのだ。
3人は屋上にある自動販売機でコーヒーやお茶を買って、ベンチに腰掛けた。
日曜日だったら子供向けのショーでもやってそうな簡易ステージの前にある常設のベンチだったが、平時ということもあってほとんど人が使っていない。それで3人は気兼ねなくゆったりとスペースを取って、何気ないガールズトークに花を咲かせていた。
特にアオイは自分の家のようにリラックスし過ぎ。寝そべりながら会話に参加していた。

屋上には3人の姿以外にはまだ小学生にもならないような子供を連れた親子連れが数人いるくらいだった。しかし、3人の姿を見つめる影があった。
「あれはウイングマンの仲間じゃないのか?」



2.
三人の姿を見つめていたのは地球人に姿を変えたヴィムだった。
ロングスカートに上はジャケットといういたって普通の格好で、町中で目立たないようにしたつもりだったが、肌が褐色で独特な雰囲気を出していた。
「これはなかなかおもしろいな」
そう呟くと不敵に笑った。
ヴィムは試作したバルーンプラスを使って、反発する能力のテストをできる場所を探していたところだった。
何か所かテストを行って、次のプラス怪人へのヒントが見つかりそうなタイミングだった。
そこでたまたまアオイたちの姿を見つけたのだ。
「あいつらを相手にテストすればいいデータが集められるぞ。実践での経験も得られるし」
そして右手に着けていたブレスレットから、通信を開始した。
街の空を徘徊していたバルー
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