008話
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かって」
「あの時は……急所は外して、いたし……」
スノウが自ら氷漬けになっていた城でもチェスと戦ったジーク、あの時もチェスを相手に一方的な戦いをしていたが相手は全て生かしていた、それでも相手は瀕死寸前だった。
「ジーくんは本当に優しいんだね、チェスが相手でもその命を慈しむんだもん」
「………」
「それで良いんだよ、悲しんで」
そっと、優しくジークを抱き寄せるドロシー。何時もとは違う慈愛に溢れた彼女の気持ちが伝わってくるかのような甘く優しい抱擁にジークは思わず身体を震わせた。
「辛くなったら私に言って、そしたら何度でも抱きしめるから。ジーくんは何も間違ってないから………生き物は結局は最後は死ぬ、生まれ出でて死ぬ、早いか遅いだけだよ」
「ドロ、シー……俺は……君は、如何して俺に此処まで………」
「簡単だよ、シンプルな答え。―――あなたに惚れたからだよ」
眩しく直視出来ないような明るい笑みを浮かべる彼女、そんな彼女の笑みに心の澱みが溶けて行く。
―――確かに自分は人を殺してしまった、それは覆しようが無い事実だ。それは身体に、心に深く刻まれている。だからこそ人は前に歩いていくしかない、そして自分が言った言葉を思い出した。
"生き物は結局は最後は死ぬ、生まれ出でて死ぬ。それは生命のルールでもある、何もせずに死ぬなど唯のゴミだ"
思わず乾いた笑いが滲み出た、自分は既に諦めていたのかもしれない。人を殺した時点で諦めて唯心を殺し、道を進むだけの楽な生き方を選ぼうとしていた。だがそれは選択の一つだが過ちでもある。自分がすべき事はそのようなものなどではない。
「―――ああ、そうだなドロシー。解ったよ」
この世界を救う、英雄の力を得たからではない。自分が、個人がこの世界を救いたいと強く願っている。自分ひとりでは何も出来ないかもしれないがギンタという可能性がある、その可能性を大きくする為の歯車にはなれる。
「全く情けないな俺は………恥ずかしいったらないな」
「ふふふっ元気になってくれてよかったよ」
「ああ、有難うドロシー。心の奥底から嬉しかったよ」
「なぁら〜お礼が欲しいなっ♪なんてね♪」
舌を出しながら笑う彼女に思わず自分も笑みを溢す、思えば彼女は自分を好いてくれるのだった。そして自分もそんな彼女に惹かれている、彼女を守りたいとさえ思っている。だからこそ彼女の代わりに戦ったりしたのだろう。
「いいよ、お礼はこんな感じでいいかな?」
「えっ(ちゅっ)ふぇ!!?」
不意を着きドロシーの頬にキスを落とすジーク、そんな行動をされたドロシーは一瞬で顔を真っ赤にし口をパクパクしながら驚いたまま硬直してしまっている。
「ジジジジジイジジジジジジジイイイイくん!!!!?い、
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