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愉悦神父の息子のSAO
デスゲームの始まり
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「あれっ、ログアウトボタンがねぇ」

「何?」

「そんなわけないだろ、よく見てみろよ」

そう言われたクラインは目を見開いてもう一度探し始めた。
俺の方はどうなっているのかと思い、ウインドウを開いて自分も探す。
だけど、ログアウトボタンは影も形もなかった。

「やっぱどこにもねぇよ。コトミネはどうだ?」
「いや、俺の方もなくなっていた。キリトはどうなんだ?」
「まさか、そんなはず……」

そう言ってキリトも探し始めた。だが、しばらくして顔を上げて首を横に振った。

「ないな」
「だろぉ。
 ま、こんなバグも出るだろ。今頃運営は半泣きだな、GMコールが殺到してるだろうからなぁ」
「クライン、お前そんな余裕ぶっこいてていいのか。ピザ頼んだとか言ってたよな」
「そうだった!!」

俺はGMコールした後、やべぇよオレ様のデラックスピッツァとコーラがぁーと叫んでいるクラインに近づいた。

「お前もGMコールしてみたらどうだ?システム側がログアウトさせてくれると思うぞ」
「反応ねぇんだよ、キリト。ああっ、もう五時二十五分じゃねぇか!お前ら他にログアウトする方法知らねぇか?」

そう言われて俺は他にログアウトの方法を考えるが、俺はこのSAOのことをほとんど知らない。
だからログアウトボタンを押す以外の方法を知らないのだ。

「俺は分かんねぇな、キリトは何か知ってるか?」
「いや…ないな。メニュー操作以外の方法はない」
「ちくしょう……戻れ!ログアウト!脱出!!」

大声で叫び始めるクライン、だが何も起こらない。

「クライン、無駄だよ。緊急切断方法はマニュアルにもなかったんだ」
「…じゃあ、このバグが直るか、誰かが頭からギアを外すのを待つしかねぇのかよ」

その会話を聞きながら俺はこれからどうなるかを考えていた。
誰かが頭からギアを外すのを待つといっても、自分は現在一人暮らしの真っ最中。
誰かが外してくれる可能性は万に一つもない。
そのため自分がこの世界から出るには、運営側がこのバグを直すのを待つしかないのだ。

「でもよぉ…俺一人暮らしだぜ。お前らは?」
「俺も一人暮らしだ」
「俺は…母さんと妹の三人だ。だから外してくれる可能性はある」
「マジで!?お前妹さんいるのか。いくつだ?」

突然クラインがキリトの妹発言に食いつき、詰め寄った。
キリトは何とかあしらおうとしているが、いかんせんクラインがしつこいようなので助け船を出すことにした。

「クライン。今はそれどころじゃないだろ」

そう言って俺はクラインの服の襟を掴んで引っ張った。
クラインはぐぇと蛙が潰れたような声を出した。

「でもようコトミネ」
「でもも何もあるか。聞くならこの状況から抜け出してか
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