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短編集
まっしろ男とまっくろ女
[後書き]

[8]前話 [9]本文
文中にある通り、題名は互いの視界の事でした。

補足を入れるならば、男がずっと顔を合わせなかったのは瞳が白いことを知られたくはないから。少女が顔を合わせたかったのは最後にその顔を見たかったからです。男が明るいところを嫌っていたのも、少女が窓を開ける等提案していたのも、全部光度を気にしての事でした。

途中で男が百日紅の杖を握って部屋を出たのはトイレに行くためにです(室内でも視界が悪いので杖があったほうが安心できるので)。ですが少女に見つかってしまいました。この時男は少女の事が見えていませんが少女からは見えていました(視界と明るさの違いで)。なので咄嗟に散歩と嘘をついて家を抜け出し、踊り場で時間を潰していました。

男が屋上に上がった際、少女が逃げようとしていたのにも関わらず声をはりあげたのは、手摺が消えたところがフェンスのないところだったからです。男にとっては少しバランスを崩しただけでしたが、少女にとっては縁の近くで大事な人がふらついていたわけです。

最後少女が落ちた原因は、男が杖としていた百日紅、もといサルスベリです。少女は影(=暗いところ)に男が落としていったそれに気づかずすべります。
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