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いような存在。
この国の事を探りに来たんじゃないのか?って訊かれただけで、腹の中まで真っ黒なのだと疑われてるような小市民的な思い込みが働いてしまい、とても冷静になれなかった。
別にそれほど強く詰問しているわけでも無いのに…。
「本当なんです! そんな大それた事出来るわけがないですよ、お願いだから信じてぇー!!」
そのスケールの大きさにすっかり動転して、尋問そっちのけで弁明のワンマンショーになっていた。
―――。
せいぜい公害レベルで臭いとか、挙動不審すぎて怪しい人に見える、とか思ってたのに…なんでこうなったのやら……。
一人で大騒ぎするものだから、尋問という流れにならず、尋問の人達はしばらく自分を一人にする事にしたようだ。
尋問室で一人残されて、弁明する相手がいなくなって…改めて冷静になって、顔を両手で覆った。
情けないやらみっともないやらで……恥ずかしい。
「何やってるんだろう僕……」
自分でもこういった事態には弱いとはわかっていても、恥を晒しまくりである。
うぅ…尋問が中断されたとはいえ、スパイと疑われてるとなると、どんな方向に転がるかわかったものじゃない。
こういうのは気分次第なのだ。 貴族と関わる事があるから、その気まぐれで良くも悪くも結果が二転三転する。
国民ではない外部の人間なんだから、偉い人が出張ってきて自分を処断する、とか言い出したりしたらどうしよう…。
「はぁ〜〜〜……」
グゥ〜〜〜。
長い溜息と一緒に、腹の虫まで合唱した。
豆の人に恵んでもらってだいぶマシにはなったけど、やっぱりお腹は空く。
尋問室に一人にしてもらってしばらく経つけど、この待たされている間ってのが腹に響いて仕方ない。
空腹を誤魔化すためにも水でも貰おうかな、とノックして聞いてみようと思い、扉へと近づいてみる―――その時、話し声が聞こえてきた。
『もう来たのか、早いな』
扉越しに聞こえる誰かの声にビックリした。
ビビって声に出さなかった自分を褒めてやりたい。
扉越しに聞こえたのは初老の男性の声だ―――厳かで年齢の重みのある声である。
扉にかなり近づいていないと聞こえないほど小さいが、自分一人しかいない尋問室で、そのか細い声を確かに拾っていた。
もう来たのか、とは自分の事ではないのだろう。
二人か?そう思った時、別の声が扉越しに響いた。
『あぁ、一応経
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