宇宙戦艦ヤマト異伝
力の源泉
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宙船が。
銀河系間空間を突破し遥か14万8千光年先、大マゼラン星雲内部にまで到達し得るのか?
往復29万6千光年の超大距離宇宙航行を、365日以内に実現する事が果たして可能であろうか。
宇宙は其の様な甘いものではない、と私は断言する。
外宇宙航行の初心者を餌食とする無数の難関、想像を超える怪奇現象が待ち受けている。
未知の太陽系外宙域には無数の危険が潜んでおり、そんな都合の良い事象は発生し得ない。
宇宙戦艦ヤマトは幸運にも、1度しか遭遇しなかったとされているが。
電気熱量波動吸収宙域や異次元断層帯は無数に存在し、多数の恒星間宇宙船を遭難に導いた。
銀河系間空間には航行禁止宙域、直径数百光年に及ぶ遭難多発地帯が在る。
複数の電波星に拠る共鳴、相互干渉作用が発生させる超強力な磁界力場。
物質を分解する超電磁力場《フィールド》、緑色に発光する分子分解宙域。
巨大恒星数10個で形成され、光の圧力が元素を破壊し物質を消滅させる原子破壊宙域。
無限に拡がる大宇宙には更に、想像を絶する無数の難関が待ち受けている。
超重力の潮汐作用が万物を引き裂く、黒太陽《ブラック・ホール》数百個の密集地帯。
四次元時空連続体が捻じ曲げられ、時空歪曲波を放射する重力渦巻。
星雲規模の放電現象、電磁嵐。
半径数1000光年に渡り催眠暗示波を放射する遠隔催眠現象、宇宙の歌魔女《セイレーン》。
宇宙気流数百流の大合流点に生じる大瀑布、超空間への次元転送路に繋がる《渦潮》。
地球人類最後の希望、宇宙戦艦ヤマトは。
幾度と無く、誰にも知られる事無く宇宙の塵と化した。
エネルギー吸収力場と遭遇の際には、イスカンダル星からの援助で脱出。
マゼラン星雲から銀河系内部に直接、エネルギー転送装置を用いているが。
初めて遭遇する想定外の事態に対処する術、脱出方法を知らねば遭難は確実。
太陽系から移住した第1次人類ですらも、帰郷は物理的に不可能であったのだ。
数万、数億、数兆。
京の単位を凌駕する膨大な挫折、原因究明、再挑戦が繰り返された。
女神の繰り返した無数の時間実験、想像を絶する試行錯誤が実を結ぶまで。
経験値の積み重ね、希望を棄てぬ強靭な《意志》が地球人類を救った。
宇宙戦艦ヤマト最大の武器、力の源泉は《可能性》であったのだ。
イスカンダルの女王スターシアから、直通回線《ホットライン》が接続された。
スターシアもまた、イスカンダル星と共に自ら死を選んだ記憶を回復。
我々が唯一無二の現実と信じていた世界は廃棄分岐、再生された時空と理解していた。
メローラ姫に託された異世界の情報、秘薬の製法も超次元間の遠隔感応波に乗り到達。
宇宙戦艦ヤマトの守
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