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万華鏡の連鎖
宇宙戦艦ヤマト異伝
力の源泉
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 沖田艦隊は冥王星に赴き、可能性の扉を開いた。
 地球人類は次元波動超弦跳躍機関、通称『波動エンジン』の設計図を得たが。
 惑星間航行の経験しか持たず、恒星間航行機関の実用化は不可能と言って良い状況にあった。

 イスカンダルと地球では入手可能な金属材料、各種元素や鉱物資源は遙かに異なる。
 ましてや遊星爆弾の為に地表は放射能で汚染され、地球人類の生存圏は地下都市のみ。
 触媒となる元素は取得し得ず、致命的な大爆発を誘う微細元素を含む場合も多かった。

 真田志郎の才を以てしても克服し難い難関、想定外の陥穽も頻発したが。
 苦心して組み立てた超光速航行機関が爆発、地球人類の希望が断たれる度に。
 閃き《インスピレーション》を装い、挑戦者達の潜在意識に様々な情報を挿入《インプット》する為に。
 星の女神は時を超え、設計図の届いた時空連続点《クロス・ポイント》に舞い戻った。


 数十、数百、数千、数万、数億、数兆、数宮を遙かに超越し那由他の単位にも及ぶ再試行。
 有限と無限の境界に迫る膨大な数の時間実験、再挑戦《リトライ》が繰り返されたが。
 地球人類を救う可能性を秘めた波動エンジン、希望の星が完成した後も難関は解決しなかった。

 小惑星の岩盤で防御装甲を補い、艦体を覆い隕石を偽装する等の案も実施されたが。
 艦載兵器は射程と破壊力と貫通力に劣り防御力も隔絶、戦力の格差は到底埋め難い。
 脆弱な星船《スター・シップ》は数える気にもなれぬ程、撃破され宇宙の藻屑と化した。

 ガミラス宇宙軍に匹敵する兵器を持たぬ故の悲劇、当然の結末である。
 地球人類の希望、宇宙戦艦ヤマト装備の兵器は総て真田発明の試作品。
 イスカンダル星では戦争を放棄、自衛用の武器を廃し設計図も保存しなかった。

 照射物質の内部に多重衝撃波を発生させる低出力レーザー、断続的破壊光線《パルス・レーザー》砲。
 大口径版の衝撃波砲《ショック・カノン》もまた、地球防衛艦隊の標準装備に非ず。
 沖田艦隊は射撃精度に優るが貫通力、破壊効果、射程距離で遙かに劣る低威力光線砲で奮闘。
 『ゆきかぜ』未帰還の責任を一身に背負い、真田志朗が精魂を込めた《解答》であった。

 正式名称『次元波動爆縮放射機』、タキオン粒子圧縮噴射装置。
 通称《波動砲》、タキオン波動集束破壊砲について説明する必要はあるまい。
 数百年に渡り波動エンジンを駆使し大マゼラン星雲から銀河系大星雲にまで君臨した宇宙国家。
 我が栄光ある大ガミラスでさえ、実用化に漕ぎ着けられなかった超兵器だ。


 女神の恩恵が如何に巨大なものであるか、御理解いただけるだろうか。
 いや、それだけでは無い。

 惑星間航行の経験しか持たぬ物質文明が、初めて製造し得た恒星間宇
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