踏み外した歴史編
第8話 紘汰の描く世界
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い黒髪を翻し、背中を向けた。
「わたし、これから舞さんを呼び戻そうと思うんです。そのためにこれから、きっとこの沢芽で最も神聖な地であるだろう場所へ行きます」
沢芽で最も神聖な地――紘汰に思い当たるそのような場所といえば、鎮守の森跡地しかなかった。舞の生家があった場所。大きな大きなご神木を囲み、幼い舞と、名も知らない少年と遊び回った日々。
「紘汰さんも来ますか?」
「行く。本当に舞が帰ってくるなら、この際、何でもいい」
巴は雅やかに口の端を吊り上げた。
その笑みに悪寒を覚えなかったと言えば嘘だ。だが、紘汰の中では舞との再会が最重要事項なので、悪寒はその場の何かの間違いとして脳内処理した。
後にそれこそが予感だったのだと、今は知ることもなく。
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