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暴れん坊な姫様と傭兵(肉盾)
01
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して立ち止まっている自分に、門番からの視線が集まる。
 なぜか門番同士で小声で話をしているようだった……なんだろう?

 何はともあれ、肺の苦しさから復活してきたので、そろそろ門を潜る事にした。

「助かったー…街が見つかって〜…あ、どうも。 こんにちわ、ここはデトワーズ皇国で合っていますよね?」
「……」

 あれ…?

 なんか門番達の反応が鈍いな……ま、間違えてないよね?

「確かに、デトワーズ皇国ではあるが…」
「ほっ…よかった……それじゃあ、傭兵の募集があると聞いたんですけど、どこに行ったらいいですか? あっ…いや、それよりも美味しいご飯が食べられる所が先かな」
「………」

 ―――ヒソヒソヒソ。


 何やら門番達がまた内緒話を始めた。 どうしたのだろうか…?

 自分が全身汗だくなものだから、美味しい店を紹介していいものか迷っているのだろうか?
 そういえば…ここ数日、行水もしてなかった事を思い出した。
 そんな有様で走り抜いて汗だくになったら…そりゃ臭いだろうなぁ。


「ここで待て、“手続き”にしばし時間を取る」

 そう言われた。
 手続きなら仕方ない。
 空腹だから今すぐにでも何か食べたい以外に、これといって断る理由はなかった。

「あっ、はい。 もうずっと走ってて疲れてますから、待ちますよー」

 通行の邪魔にならないように道の脇で地べたに座る。
 出来れば早くしてほしいな、と思いながら“手続き”とやらが済むのを待つ事にした。

 それでも空腹は自己主張してくるのだから、空を(あお)いで別の事を考えた。

 まずは飯屋…いやいや、それは今は後回し後回し…。
 泊る所とか、体を洗う所とか、あとは武具屋とか…色々と回って、傭兵を募集してる所で雇ってもらえるように頑張らないといけない。
 いつも余裕なんてないから、雇ってくれなければ即座にピンチになる。

 せめて……このデトワーズ皇国が宗教的にも軍事的にも極端でなければいいなぁ、と淡い期待を込めた。

「………」

 ぐ〜〜〜……。

 うん、無理。
 やっぱりお腹が空いてどうしようもない。

 せめて待ってる間でも、何か食べる物を分けてもらうなりでもして……あれ?


「え…―――」


 空を見上げていた視線を下ろして、自分はようやく周りの状況に気付いた。
 そして気付いた時には、その状況に唖然とした。

 周りにはいつの間にか、門番…いや、衛兵達がグルッと囲むように、自分を包囲していた。
 その物々(ものもの)しい雰囲気に怖気付いて、何か言うよりも先に両腕を上げて降参(ばんざい)のポーズを取った。

 我ながら(いさぎよ)い…いや、いっそ清々し
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