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暴れん坊な姫様と傭兵(肉盾)
01
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境にデトワーズという国がある。

 ヨールビン大陸の端っこに位置する小さな国。
 領土は小さいけど、古代文明の技術が眠っている遺跡を発掘している国である。
 古代文明から発掘されるモノは色々と使えて、とにかく珍しいものなどがある(らしい)。
 それを所有する国は特色が出て発展すると言われる。

 それゆえに外からの国から狙われていて、防衛のために傭兵を雇っているという話を聞いた。
 不幸中の幸いか、前の雇い先から戦力外通告を受けてまた新たな雇い先を探さなければならなかったから渡りに船だった。

 しかしだ、だがしかしだ……。

 前にいた場所から、デトワーズ皇国に行くまでの路銀が足りなかったのだ。
 デトワーズは沿岸(えんがん)と山森に囲まれた立地であり、外界と繋ぐのは大街道が一本あるのみである。
 普通ならそこを通る所なのだけれど…大街道を通って行くまでに路銀が尽きてしまう。
 かと言って沿岸沿いに海路にするとしても、船賃もお高い…。

 そこで考えた。

 遠回りするとお金がかかるのなら近道すればいいんじゃないか、って。
 ありったけの保存食を買い込み、最低限の装備を残して武具を売り払って、前いた場所から森を直接抜けようと思ったのだ。
 そして今、自分は猛烈に後悔している。

「あ〜、もう…僕のバカバカ〜! なんで森を抜けようなんて思ったんだよ〜!」

 刃物で切り払って進むべき(やぶ)を、体で突き破るようにして進む。
 (やぶ)を切るためのナタも無ければ、武具は売り払っていて剣の一つもなかった。

 装備は胸当てとナイフ程度。 財布と水筒以外に荷物らしいほとんどなく、身軽ではあるものの…これはマズイ事態だ。
 入念に準備する必要がある知らない森の強行突破で、この身軽さは命に関わる。


 なぜならば、無いのだ……食糧が!

 ダメにした? 無くした? 盗られた?
 どれか、と言われたら答えるのはただ一つ……全部である。

 雨に降られて、水に弱い食糧はダメになり…野宿した後に置き忘れて、気付いた時には獣のエサになり…獣に盗られないよう、縄で繋いで枝からブラ下げていたはずの食糧は、意地の悪い野生動物に落とされて荷物ごとズタズタにされていた。
 やっぱり金をケチって安物の袋したのがまずかったのだろうか、網目が荒い袋にしたものだからそこから漏れた食糧の匂いで引きつけてしまったのかもしれない。

 嗚呼…本当にツいてない。

 もうかれこれ2日ほど水だけで過ごしている。
 そこらへんに木の実とかで飢えを凌ごうとしても大体(マズ)くて食べられないし、草とか食べたら腹を壊して更に死にそうな目にあった。
 ひたすらお腹が減るが、こんな所で立ち止まったら救助してもらえ
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