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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico34別れ〜John Doe〜
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エルとの戦場から遠ざかることになっちまってるわけだ。

「僕・・・僕は・・・」

ジリェーゾの背中に乗せられてるケリオンはさっきから虚ろなんだよな。そんなにすずかの側を離れんのが嫌なんかよ。まぁ、とにかく「良かったじゃねぇか。本当の名前が判ってよ」そう言ってやる。ようやく記憶を取り戻せそうなんだしな。

「いやだ・・・、僕は、ジョン・ドゥのままでいい・・・!」

「あ?」

「ケリオンなんて名前知らない! 僕はジョンだ、ジョン・ドゥだ!」

「おいおい、落ち着けって! ケリオン!」

「僕はケリオンじゃない、ジョンだ!」

「ああ、判った、判ったから落ち着けジョン、落ちるっつうの!」

なんとかケリオンを宥めさせることに成功。今のケリオンにとって記憶を失う前の時間は邪魔なもので、大切なのはすずかに恋してる今、なんだな。だけどそうは言ってられねぇ。お前の正体が判んねぇことにはリンドヴルムが何をやろうとしてんのかがサッパリだ。神器やアムティスなんてトンデモねぇもんまで持ち出すんだから、碌なもんじゃねぇ。

「(とにかく今は・・・)いいか。はやて達はお前を助けるために残った。あたしらはその意志を無駄にしねぇにも逃げ切らなきゃいけねぇわけだ。解るな?」

「・・・うん」

ケリオンはジリェーゾの首にしがみ付き直した。そうだ、今はひたすら逃げるしかねぇ。だから人気のない路地裏を進み続けた。

――影渡り(シュルプリーズ)――

だが、「ハーイ、ストップ〜。ここから先は通行止めだよ〜」目の前にある建物の影から1人の女が音も無く現れた。

「猫目に猫口、影を移動する・・・、エグリゴリの、レーゼフェアか・・・!」

「正解〜♪ そこの少年を回収するようにシュヴァリエルからのご依頼なのだ。だからさ・・・渡してもらおうか」

大きな瞳が細められた。ふざけた様子じゃ考えられねぇほどの殺意をあたしに叩き付けてきやがった。最悪すぎんだろ、この状況。シュヴァリエルにハート2って化け物の次はレーゼフェアかよ。

「ジリェーゾ、逃げろ!」

ケリオンを渡すわけにはいかねぇ。だからそう言ったんだけど、ジリェーゾは体を大きく振るってケリオンをあたしに向かって投げ飛ばしやがった。あたしは「うおい!?」慌ててケリオンをキャッチ。
何すんだ、って文句を言う前に、ジリェーゾはレーゼフェアへ向かって突進。レーゼフェアを「なに、ケンカ売る気? 買うのだ〜」目にも留まらないほどの速ぇ拳打を繰り出した。ジリェーゾは跳躍して躱した後、建物の壁を蹴ってレーゼフェアを頭上から強襲、地面へ押し潰した。

「(自分が相手をするからあたしに逃げろ、ってか)・・・任せるぞ! しっかり掴まっとけ、ケリオン!」

「あ、うん!」

ケリ
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