暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico34別れ〜John Doe〜
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因だっていうのは判るんだけど、いつまで続くのか、どうやったら収まるのか、その答えが判らない。魔法を使おうにも間違ってなのはちゃん達に当たったりでもしたら大変だし。と、そんなところに「ひゃん!?」お尻を誰かに触られた。慌てて前方に跳び退いて、後ろに振り返ってみるけど誰も居ない。
(ううん。見えないだけで、そこには居るんだ・・・!)
私がさっき立っていた場所にゆっくりと歩み戻ってスッと両手の平を前に掲げる。すると「あ・・・!」何か柔らかいものに触れた。こう・・・プニッというか、ムニュっというか。何に触ったのかは判らないけど、そこに誰か居るのは確認できた。
私が触れた誰かは一度後退したみたいで、私の手から逃れた。でもすぐに「っ!」私の手にさっきの誰かの手が触れて、ギュッと握り合う。そしてお互いに見えない中、顔があるだろうところにもう片方の手を伸ばす。そして・・・
「フェイトちゃん・・・!」
顔だけじゃなくて髪の方にまで手を伸ばしたことで判った。フェイトちゃんの特徴であるツインテールに触れたから。姿も見えないし声も聞こえない。けど、触角が残っているのは良かった。とりあえず手を離さないようにフェイトちゃんの手を握り締める。するとちょんちょんって小さく引っ張られた。
(他のみんなを捜しに行こう・・・かな?)
それに応えるために握る力を弱くした後、もう一度強くした。そして私はフェイトちゃんに引かれるままに歩いて、空いてる右手で周囲を探る。と、フェイトちゃんが握る力に緩急を付けてきて、歩みを止めた。それから少し待ってると、私の腕を誰かが優しく叩いてきて、私の右手を手探り気味だけど取った。
「この髪型・・・、なのはちゃん・・・!」
なのはちゃんの特徴的な髪型に触れたことで認識できた。あとは、はやてちゃんとヴィータちゃんとベッキーちゃんとケリオン君と合流するだけ。今なお白い世界が解けない中、3人で手を繋いで4人を捜す。けど、どれだけ歩いてもダメだった。きっと4人も私たちを捜しているから、すれ違っているのかもしれない。
――すずか――
「っ! ケリオン君・・・!?」
私を呼ぶケリオン君の声が聞こえた気がする。空耳かもしれない。何せ未だに手を繋いでるなのはちゃんとフェイトちゃんの姿は視認できないし、声も聞こえない。念話は通じない。デバイスの魔力探査も出来ない。だけど・・・
――すずか――
「ケリオン君!」
呼ばれてる。気のせいなんかじゃない。耳じゃない、頭じゃない、こう心に直接呼びかけてくれてるような、不思議な感じ。私はなのはちゃんやフェイトちゃんと繋いでる手をちょっと引っ張った。すると2人は立ち止まってくれた。
(ケリオン君。・・・ケリオン君・・・!)
連絡手段は未だに回復してない。
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