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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第197話 死の正体
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シノンへの返答.それをまず答えたのは、キリトだった。そのキリトの表情は険しい
「……オレは乗り越えてないよ」
キリトは、そう答えた。『乗り越えることができてない』と。リュウキもキリトのそれを聞き頷いた。
「心に巣食っている闇は、……簡単に取り除いたり、乗り越えられたりは出来ない。……その乗り越えるべき壁の高さは、見えないんだから。絶えず変わり続けている。心の中で、 オレの闇の中で……、何時もいる。オレが殺した人たちが」
「オレもだ。……ゆうべ、夢に出たよ。殆ど、眠る事ができなかった。アバターが消え去る瞬間の彼らの顔や声。……その言葉はきっと、もう二度と忘れることは出来ないと思う」
2人の話を訊いて、シノンの表情が変わっていく。身体が凍っていくかの様だ。何時ものそれとは違う。まるで、震えが止まらないのだ。
「そ、そんな……」
震えが止まらず、呆然と呟いていた。
「じゃあ……、ど、どうすればいいの……。わ、わたし、わたしは……」
――私は、一生このままなのか。
それは、あまりにも恐ろしい宣告だった。全ては、無駄だった、ということだろうか? 例え今、この洞窟を出て死銃と戦い、万が一勝てたとしても、現実の詩乃の苦しみは永遠に続く――そういうことなのだろうか……?
「シノン」
震え続けるシノンの肩を、リュウキは掴んだ。
「……苦しいのは、判る。オレ達も同じだから。……でも、それは正しいこと、なんだ。自分の手で奪った命。……なのに、オレは、オレたちは、責められる事等なかった。それどころか、称えられさえもしたんだ。……皆、優しかった。自責の念に駆られ、壊れかけていたオレを立ち直らせてくれる程に、支えてくれた。 でも、償う方法は判らなかった。誰もが口にしなかった。……多分、皆同じ思いだったから」
「……ああ。オレも、同じ気持ちだよ。あの時は、ただ口々に言うだけだった。その意味も深く考えずに。そして、いざ自分が同じ立場になった時……、初めて判ったんだ。……そして、殺した人達のことを眼から逸らし続けてきたんだ」
リュウキの言葉を訊き、キリトもそう告白をした。
キリトは、あの時、苦しむリュウキの姿見て、何とか力になりたかった。……涙を流す彼を見て、支えて上げたかった。皆を助けてくれた彼が苦しんでいる所など、涙を流す所など、みたくなかったのは皆同じだったから。
だけど、リュウキのその苦しみを、自分は本当の意味では判ってなかったんだ。
同じ境遇に立ってから、初めて知る事が出来た。同じ立場に立つ意味を、知る事が出来た。
「オレは、その意味と重さを受け止めて、考え続けるべきだ、と 思ったんだ。せめてそうすることが、今のオレにできる最低限の償いなんだろう、と
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