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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第196話 其々の告白
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のだとしたら、それを躊躇わずに最後の一撃を、全てを奪う一撃を入れる事が強さ、なのか?』

 2人はまさしく、その極限状況をくぐり抜けてきたのだ。ある意味では、自分のあの時の事件と限りなく似通っている。

「……リュウキ、キリト」

 シノンは、一度に2人の顔を見られる位置へと移動して、2人の顔を見た。いまだ過去の一地点を覗き込んでいるかの様な瞳を見て、そして掠れ声で語りかけた。

「……私は、あなたたちのしたことには、何も言えない。言う資格なんて、あるはずもない。だから、ほんとは、こんな事を訊く権利もないけど……でも、お願い。1つだけ教えて。その過去の記憶を。……闇を、どうやって乗り越えてきたの? どうやって、勝つことができたの? ……どうして、今そんなに強くいられるの……?」

 自分自身の罪を吐露したばかりの相手に対して、配慮がない。と自分でも想う。本当に利己的な質問だと思った。でも、それでも、どうしても訊かずにはいられなかったんだ。あの戦いで、リュウキは確かに『オレは誰よりも弱い』と言っていた。でも、それは有り得ない。……強いからこそ、戦うことが出来ている。そして、キリトの言っていた『無理矢理忘れた』と自分を責める様に言ったけど、シノンはそれすらもできなかったのだ。


 そして……、2人の返答。
 
 それは、予想外の言葉だった。……自分にとって、恐ろしいとさえ思える、宣告だったのだ。

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