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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第196話 其々の告白
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いる未来へいくくらいなら、と。
「っ……。止めてくれ」
リュウキは、シノンの肩を掴んだまま、話した。もう、言葉を濁したり はぐらかしたりしても無駄だろう。
「い、嫌っ……」
シノンは、震えつつも、はっきりと拒絶をした。その猫の様な眼、いや豹の様に鋭かった眼には、怯え、恐れ、といった負の感情が蔓延している様に見える。だけど それでも逃げると言う選択は取れない。取りたくない。 そう訴えている様にも見えた。
「アイツに、……アイツ等に撃たれたら、本当に死ぬ可能性が高い。……さっき言った事は事実なんだ。それに、シノン。お前のスタイルは、アイツ等のスタイルとは、あの装備を含めて、決して噛み合わない。……相性が最悪だと言っていい。近接戦闘を主としてきたオレ達は兎も角、あの透明状態で接近、撃たれたら 危険度は誰よりも高いんだ」
敵側の死銃に、命を奪う力は……ある条件を満たさないといけない。それはある程度推察がリュウキには出来ていた。……死銃の内の1人、傍らの名を考えても、恐らくその推測の可能性が高いと言う事も判る。そして、その条件にシノンが揃っていると言う事は、あの男が撃とうとしている時点で間違いない筈だから。
「……」
シノンは、目を瞑り、そして目を開いてリュウキを見た。
「死んでも、構わない」
「っ……」
はっきりと、そう伝えた後、ゆっくりと語りかける。
「……わたし、さっきすごく怖かった。死ぬのが恐ろしかった。……5年前のわたしよりも弱くなって、情けなく 悲鳴あげて……、そんなんじゃ、そんなんじゃダメなの。そんな私のまま生き続けるくらいなら、死んだほうがいい」
シノンは、そう言うと視線を外した。リュウキは、そんな彼女の肩を掴むと。
「怖いのは当たり前だ。死ぬのが怖くないヤツなんていない。……皆、皆そうだ」
あの世界での事をリュウキは思い出し、リュウキはそう言った。死の寸前。身体が砕ける瞬間のその表情は……よく知っているから。満足そうに逝けた者はいない。苦しみを伝えまいと、自分自身を抑え込み……消えていった人も知っているから。その言葉の奥深くに、リュウキが、それを経験している事には気づいたシノン。だけど、それでも。
「嫌、嫌なの。怖いのは、もう怯えて生きるのは……疲れた。この世界に来て、強さが手に入るって……、戦いを続けてきたけど、もう わたしは……。 別に、付き合ってくれなんて言わない。あんた達はあんた達で、その闇と戦って。わたしは、わたし自身の闇と決着をつける。……1人でも戦えるから」
そう言うと、シノンは萎えた腕に力を込めた。
――なぜ、かな?
目の前にいる彼。……認めてなかったけれど、心の底ではあれ程会いたかった彼に。あの時、
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