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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第195話 深い闇
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てこなかった様だ。
「……これ以上、あいつらとシノンを関わらせたくない。あれは、オレ達の
闇
(
・
)
だから」
「っ……」
キリトに続いて、リュウキもそう言う。
シノンは、《闇》と言う単語を訊いて、再び身体を震わせた。
己の強さに絶対の自信を持っている様に、これまでは見えた。事実、以前の2人の会話を聴いても間違いなくそう思える事が多かった。なのに、今は色褪せてしまっている。……頼りなげに、心が揺れている様にも見えたんだ。
「……2人でも、あいつが恐いの?」
思わずシノンはそうつぶやく様に訊いた。キリトも、リュウキもその問に頷いた。
「昔のオレなら……或いは本当に死ぬ可能性があろうと躊躇せずに戦えたかもしれない。でも……今は守りたいものが、いろいろと出来たからな。死ねないし、死にたくない」
「……同感、だ。 だけど、今1番恐いのは別のモノだ」
シノンは、キリトが言っていた『守りたいもの』と言う言葉を訊いて、他の誰かの事を言っているのだろう、と思った。こんな実際に人が命を落としている戦いの最中で、そう言える相手は……、多分 間違いないだろう。
リュウキも同様だと言っていた。……心にチクリと針が刺さる様な感じがしたが、直ぐに押しとどめる。それよりも、気になる事があったから。
「別のモノ……?」
リュウキが言っていた別のモノと言う言葉。
あの男、男達よりも、……そして自分の死よりも、恐ろしいモノがあるという事だ。それがあるから……、それの恐怖があるから、彼は死ぬかもしれない弾丸をその身に受けたんだと思ったから。
「……光をくれた人が、温もりをくれた人を、また失うかもしれない事」
リュウキがポツリと呟いた言葉は……、考えていた事以上に深く、そして重いモノだった。
――彼は、誰かを、大切な人を失った経験がある?
シノンは、思わず口にしてしまうそうになった衝動を抑えた。
「それに、あいつらの標的が何人いるか判らないが、あの銃を他のプレイヤーに当てられる訳にもいかない。……オレ達の闇は、オレ達が払う」
リュウキの言葉に、キリトはゆっくりと頷いた。
シノンは……、リュウキの言葉を訊いてなければ、キリトの言葉だけだったら、『このまま、洞窟に隠れていて、時間を稼いで逃げるたらいい』と進言しようとしていた。自発的なログアウトは不可能だが、生き残りが最後の1人になれば、脱出出来る。
自殺して、他の誰かを優勝させれば良い、と。
だけど、それを言う前に、それを拒否された。
――あの銃を他の誰かに撃たせる訳にはいかない。
その言葉を、そして、その言葉に頷いたキリトを見たから。
――やっぱり、強い。すごく
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