暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第195話 深い闇
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るのだ。衛星スキャンを終えた後に、1人が外を警戒する。そして、交代で回していけば、精神面でも回復を図る事が出来るだろう。

「成る程なぁ……、まぁ それもそうか。ん……それに武装全解除して川底に潜るよりはマシかな……」
「ん? 武装解除? そんな事してたのか、キリト」

 キリトの言葉を聴いて、リュウキはそう答えていた。川を泳ぎ、接近した事はこの場ではシノンしか知らないことであり、リュウキには話していなかった。いや、こうやって話すのは今大会では初めてだから仕方がないだろう。

「あ、ああ……。やっぱし、サバイバル戦ではまずかったかな? 色々と試して、結果だけ見たら、オーライな気がするけど」

 キリトはバツが悪そうにそうきいていた。だけど、リュウキは別にそんな風に考えていた訳ではない。盲点だ、と思っていた様だ。

「……いいや、良い手じゃないか? 武装解除なんて、基本的に戦場ではしないだろう。結果を見れば衛星を回避出来た事もそうだし」

 リュウキの答えを訊いて、あからさまに安堵な表情を作るのはキリトだ。

「ほっ」
「……何で 安心するんだ?」
「いや、ほら。やっぱし リュウキは説得力があるから」
「……はぁ」

 キリトの妙な発言を聴いて、軽くため息をするのはリュウキだ。
 確かに、この世界、銃撃戦においてはキリトよりも知識やセオリーは判っているだろう。でも、ただそれだけであり、VR世界全般的に考えれば、キャリアは キリトと自分は差異がない。VR世界で戦う。と言うことを考えても、根底は同じだ。
 得物が違う、それだけの事だ。『……銃と剣じゃ 違いすぎるだろ!』 と抗議がありそうな気もするが、数多のガンナーを屠っている2人だから、それは当てはまらない。

 つまり、キリトも十分過ぎる程、行動に説得力があるのだ。別にリュウキに聞かないでも。それを隣できいていたシノンは、声を低くさせながら言う。

「………つまり、私には説得力が無いってことなのね」

 若干怒気をはらんでいるいい方を聞いたキリトは、びくっと身体を震わせ。

「い、いやいや! そんな事ないさっ! と、と言うより早く中へ、もっと奥に入ろう! 入口が近すぎるだろっ」

 キリトは、慌てて、奥に逃げる様に入っていく。
 それを見たシノンは、まだ引っかかる所があるものの、確かに入口に近すぎる、外から注意して見たらバレてしまうだろう距離だ。『今は仕方がないな』と思いつつ まだ重い身体を持ち上げようとした時。

「……立てるか?」

 リュウキが傍に立っていて、手を差し出した。

 シノンは……、再びフラッシュバックをした。あの時の彼、倒れている時に手を指し伸ばしてくれた彼の姿を、そして顔を。

 だけど、シノンは。


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