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バトルガールハイスクール短編集
第1回 (粒咲あんこ・火向井ゆり
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ップス買ってきましたけど………」
「ん?ちょ!?ゆり!!」

ゆりは気がついてもらえるようにと思ったのだろう。あんことテレビを挟んで立とうとしたのだと思う。

だがその足元には………

「あっ」
「!?」

その足元にはスーファミとテレビを繋ぐケーブルがあった。そして下をあまり見ていなかったゆりは足を引っ掛けてしまったのだ。それによって少しスーファミの本体が動いてしまった。

今ある新しいゲームではそんな少しの動きなど全く問題ないだろう。しかし昔のレトロゲームにとってその衝撃は致命的と言えた。

「あ、あれ………?」

画面が固まりヴーと唸るような音を上げ続けるテレビ画面。

「ああこれは………」

その状態を見て俺は確信した。あんこは口をパクパクさせて固まっている。

「バグったな………」

俺はそう呟き電源を切る。ゆりも事の重大さに気がついたのか苦笑いしながらキッチンの方へ逃げていく。

「運が良ければ………データは消えずに………ああ………」

あんこのやっていたゲーム、『スーパーマリオRPG』は最初のオープニングが終わり、セーブするとストーリーで起きたようにクッパ城に巨大な剣が突き刺さっている。

しかし………

「剣が無い………」

これはデータが全て跡形もなく消え去った事を意味していた………





スーパーマリオRPGとは………
任天堂とスクエア・エニックスの最初で最後のコラボ作品。雰囲気がFFっぽい世界でマリオの物語を体験でき、BGMもストーリーも素晴らしく、個人的にはマリオのゲームで1、2を争う面白さでスーパーファミコンのソフトでも1番好きなゲーム。(コラボしていた事も最近知り、隠しボスのクリスタラーの姿と戦闘BGMのFFっぽいのもつい最近気が付きました………)











「本当にごめんなさい………」
「別にいいわよ………バグもレトロゲームの醍醐味だし………」

とゆりを慰めるが、どうにも笑顔がぎこちない。あんこの事だし、何かこだわってゲームをプレイしていたのかもしれない。

「そ、そうだ!!どうですか?カレーの方は!!」

そんなあんこの状態を変えようとゆりは話題を変えた。
ゆりの自信作のカレー。火向井家ではカレーにはイチゴジャムを使い、深みを出すそうだが………

「「甘っ!!」」

思わず声を揃えて叫んでしまった。

「ええっ!?もしかして甘口は嫌いでした………?」
「嫌いも何もカレーって辛いものじゃない?」
「俺もそう思ってたんだけど………」
「ええっ、そうなんですか!?私の家はいつも甘口なのですが………」

カレーなんてそれぞれの家庭では違うので
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