第1回 (粒咲あんこ・火向井ゆり
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れば止められるが今は誰も止める者がいないのだ。
(あんこ、信じてるぞ………)
とあんこを信じているとその本人からメールが入った。
「どうしたんです?」
「あんこからメールが来てな」
俺がスマホを出した事に気がついたゆりが俺の返事を聞き、小さい身体で俺のスマホを覗いてきた。
『コーラとポテチよろしく』
「うん、心配ないな」
「何の事ですか?」
「いやこっちの話」
さて買い物を終え帰路に着く。ゆりが自信満々に『夕食は私が作りますから』と宣言していたので全てを任せる事にした。材料から見てカレーだろう。しかしその他にも野菜類や肉類を買ってしまった為暫くは自炊しなければいけなさそうだ。
「すいません、調子に乗って色々と買わせてしまって………」
「ん?ああ、良いよ別に………」
買い物が終わって流石に悪いと思ったのかゆりが申し訳なさそうに呟いた。
「ゆりの言ってる事は間違いじゃないしな。買い物も料理も面倒だからどうしても楽な方にって思う俺が悪いんだ、ゆりが気にすることないさ」
「ありがとうございます。そ、それで………」
そう言いながらゆりが俯く。声も小さくなっていき聞き取りづらい。
「これから時間あるときは私が料理を………」
「ゆり!?」
「えっ!?」
ゆりは前を見ていなかったのか交差点を周りを見ずに渡ろうとしていたので慌てて抱き寄せた。
「何してんだお前は!!危ないだろうが!!!」
「ご、ごめんなさい!!」
あのまま抱き寄せていなければちょうど通り過ぎた自転車とぶつかっていただろう。
「全く、心配させるな………」
「ごめんなさい………」
とっさに荷物を置いて抱き寄せたので中身が少し出てしまっていた。
「分かればいい。それよりもさっさと帰ろう。あんこも待っていることだしな」
「はい………」
落ちた材料を広いながら話す。
かなりシュンとしていたので少し言い過ぎたかもしれない。
(言いそびれちゃった………)
その後は2人共口数の少ないまま家へ着いた。
カタカタカタ………
「「…………」」
家に帰ると俺達は言葉を失った。
無心にゲームを見つめコントローラーを動かすあんこ。あぐらをかいていてスカートだということも頭に入ってなさそうだ。
「こんな集中しているあんこ先輩初めて見ました………」
「俺も………」
奪還授業よりも集中している様に見える。
その姿はまさにプロのゲーマーそのものだ。………そもそもゲーマーにプロがあるのか不明なのだが………
「あんこ先輩、コーラとポテトチ
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